第十三話 プラモ大好きジジイ。魔王の四天王の一人、ゾーラ
「ある大会?」
ステラは何か、七十くらいの畑を耕しているお婆ちゃんに聞いてみると、プラモデルの大会だよ。と言い出した。
「魔王の四天王が一人、ゾーラさまはプラモデルが大好きで、戦艦だの、車だのとあらゆるものを作れるお方なんじゃよ。そこで毎年、腕を立つ者たちが集まってプラモデルの大会をやり始めたのじゃ。だけど最近はゾーラさまが勝つように八百長するようになり怒った参加者は不正を暴こうとたくらんでいたと。それを耳にしたゾーラさまが無理やり牢獄にぶち込まれてしまったとの噂がささやかれていたんだ。」
町人はうなづいているとカラはため息を吐いて話した。
「どこまでもプラモ大好きなんだな。———でその参加者たちは」
「ホラ、あそこにあるような建物に捕まっているらしいんだよ」
町人が指を刺した先は海の奥に面した人工島の鉄壁な建物があるのだ。
これは異世界人が興味本位で作り、今では牢獄として使われているのだ。
「だったら、四天王ゾーラを倒せば解放するんだな」
ゲンジが腕を組んで言うと町人はまぁ、そうじゃが。と目をギョっととして質問を返すとステラが話しかけてきた。
「ゾーラを倒すと言ってもどうするんだよ!」
ゲンジが指を刺して、カラに向けて言った。
「カラ殿、プラモデル大会で優勝して、参加者たちを解放し、この町を平和にするのだ」
「えーーーーー!」
カラは驚いているゲンジが続けて話した。
「カラ殿は手先が器用じゃないか。この前の夜にも予備として作った、小型の魔法の杖を自作で作っていたんじゃないか」
「もしかしてこれのこと」
カラはバックから木製の魔法の杖を出した。
カラが言うには趣味で彫り込ん作って、メインの大きな魔法の杖が壊れた時ようとして所持している。
「それとプラモデルでは違うでしょ!今のプラモデルは細かすぎるし」
「確かにわしも、プラモ作るのにぼんやりで見えずらいのは分かる‥‥。しかし、今、参加者たちを解放できるのはカラしかいない!」
ゲンジ曰く、自分でも作れるがカラ殿のほうが素晴らしいプラモを作って魔王の四天王と互角に戦える。と言っているのである。
「ミルクだって器用だと思うけど」
ミルクはカラの肩を叩いて、私のヒヅメでは料理や掃除はできてもプラモづくりは難しい。と言っているとカラがしゃべって伝え、再び叫んで言った。
「ステラはどう。」
「私は格闘、戦闘専門だから無理だよ」
「あと、大雑把だし、料理以外はポンコツだしね」
キンコはせせら笑いをしてからかっているとステラはうるさいっとキンコを叩いて突っ込んだ。
「ならキンコ!」
「おいらは、金勘定と商売知識しかないし、プラモより美少女フィギュアのほうが好きだもん」
キンコがプイっと顔を振ると見苦しく、おばあちゃんにも頼ったが、そんなんできたらわたしだって参加して優勝しているわ。と突っ込んで言ってカラは茫然としているとステラ達は励ました。
「大丈夫よ。私たちも四天王の八百長を暴けば優勝しなくても騎士団が行動して四天王を捕まえてくれるから」
それを聞いたカラは少しずつ笑みを浮かべてきてエッヘンとした格好をして言った。
「仕方がないな。けど勝ったら後でパフェおごれよ」
ステラははいはいと言うとゲンジは率先して言い出した。
「そうと決まれば、受付に行こうではないか。場所はどこだ」
町人は指を刺して言った。
「あそこにある、ギルドに行けば、受付してくれるとのこと、しかもたまにゾーラさまが参加者を見学してくると言っているんだ。」
そんなこんなでゲンジたちは、ギルド受付に向かったのだ。
ギルド——————
ここではモンスターと魔物の討伐、家の修理の依頼や草むしり、コンビニのバイト募集やカードローンも組める金融屋の広告、日〇食品の新商品のお知らせと、異世界人たちがビジネスで儲けてそのままにした会社のチラシがびっしり掲示板に張ってあり。
依頼者たちは酒を飲んでクエスト待ちをしていた。
二階には左からギルドマスター室、会議室。従業員室。階段隣では休憩室、一番奥に用具入れ。と並んである。
今日は会議室に魔王の四天王の一人。ゾーラが来ていてギルドマスターと話していた。
ギルドマスターは四十代の茶色の短髪でワイシャツにジーンズ。そしてネックレスとピアスをつけている。顔立ちはイー〇ンマスク似である。
マスターによれば異世界人が開発した映画の影響で来ているとのこと。
ゾーラは六十代の太っちょのジジイであり、ボウズであってTシャツにジーンズとキャップの帽子をかぶって靴もスニーカを履いている。アッ〇ルウォッチをつけているのだ。
ゾーラによればこの方が楽とのこと、あと異世界人の服装をパクったのこと。
最初に話したのはゾーラだ。
「ギルドマスターよ、今日は新規の参加者は集まっているのか」
「はい、ゾーラ様、前までは奴らでは30名、そのうち新規は10名入ったですよ」
「ほう、それはそれは、おカネが増えるってものだ。ハハハ、この大会では楽しみではならないんのだ」
「確かに、優勝はゾーラさまに決まっているのに」
「確かに———。参加費でお金は増えるわ。我のプラモの出来を他のものに驚愕されて悔しがる姿が見れるわで笑いが止まらないわ」
二人は高笑いをしていると、誰かがノックして入ってきた。
ミーアと言うギルドの受付嬢。アイドルみたいな可愛い顔立ちでポニーテール。スーツにリボンをつけている二十代前半の女の子が入ってきた。
「失礼します。あ、ゾーラさまも一緒で申し訳あるません」
「構わんよ。ギルドマスターに御用だろ、ここで話してもいいだろう」
ゾーラはギルドマスターに目で合図をすると、マスターはミーアに向き直し。
「さよう、ミーア、用はなんだ。」
「ハイ、先ほど、新たに参加者が入ってきたのでご報告を———」
ミーアはギルドマスターに参加許可書を渡すとゾーラは笑って言った。
「新たにか————。ははぁ、これは面白いものだ! 腕が鳴るものだ」
一方———、ゲンジたちは夜に旅館に帰ってきて女将から食事ができたと言っていたので、ゲンジと一緒に食べていた。
「では、プラモデルの大会は1週間後————。その前にカラはどのぐらいの実力は私たちも見ないといけない。」
「分かっている。けど、おもちゃ屋は閉まっているから今日は風呂入って明日にしようじゃないか。」
こうして、カラと四天王ゾーラとの戦いが始まったのだ。
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