第22話 いい子のほう

MONSTER SON


かも知れない


ルルサは想った

今春,小学校最高学年を迎えた

我が子である


モンスターさん

を生んだか


モンスターチャイルド

は奇妙な事に疑問を呈する


最後の晩餐

生の強要

美の醜さ

と言った事柄を発する


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「生まれたくない赤ん坊もいるよね」

「生まれてくれてありがとう」

「ありがとうって、勝手に、意思の確認は、オギャー」

「赤ん坊のオギャーって怒りだよね、意思なく生み落とされた」

「神の怒りでしょ、赤ん坊の最初の叫びは、だって出産って超絶エゴ」

「生の強要を美しいと思ってる、大人」

「大人ってホントバカ!赤ん坊の産み落とされた怒りの表現を、泣いてありがとうって!相手が話せないと、勝手に解釈するの得意だよね、人間って!」


「自分の幸せしか考えてないから、出産にはごめんねしかありえないのに!自分におめでとう、ありがとうって言ってるみたい。だってそうでしょ、物を取って、お願いして、渡してくれたらありがとうでしょ、好きですありがとう、相手がしてくれたことに対してのありがとうだよね。自分達が生んでありがとうって、対象が自分じゃん!意思なき抵抗する力のない者に対して、ありがとうなんて、有り得ない!」


「ごめんねの方が相手を見てるし、優しいよね」


11


いい子なのである

優等生でつけ入る隙はなく


かの可愛き悪ガキは

悪さをして手がつけられないが

叱れる叱られる


いい子の方が手がつけられない

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