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「ごめんごめん!リアルほしさんに会えたの嬉しくてついつい抱きついちゃった!」
出会い頭にテンションが上がってしまって抱きついたのは、ちょっとヤラかしたかと思ったので謝罪。とはいえほしさんが嫌がっている様子は無かったので多分大丈夫であろう。
『大丈夫』
ほしさんがホワイトボードに書いた字を見せてきた。やっぱり大丈夫だったようだ。そりゃね!俺とほしさんの仲だし!挨拶みたいなもんよね!
部屋の中に入れてもらって現在ほしさんと対面中。ほしさん宅の通されたダイニングは綺麗に整理整頓されていて物は少ない。もっとなんか色んな物がごちゃっと置いてありそうなイメージがあったのだが意外だ。
『改めてましてほしたろうです』
ホワイトボードの字を消して新たに書き直すほしさん。
どうやらかなりシャイなようでヘルメットは未だに被ったままだし、口で言葉を発さずホワイトボードに字を書いて返答してくる。
まっ!人それぞれ色々あるよね!意思疎通とれればよし!
「それにしてもほしさんの部屋結構広いねぇ」
『2LDK』
「一人暮らしなんだよね?」
『○』
「家賃高そうだけど⋯⋯ほしさんブルジョワ?」
『これぐらいは普通』
「なるほど?」
『こう見えて結構稼いでるので』
「稼いでる⋯⋯ほしさん仕事してるの?社会人?えっ、もしかして成人してらっしゃる?」
『してるよ?』
「初耳なんですけど!」
マジかよ⋯⋯てっきり同い年ぐらいだと思ってた⋯⋯。背は低いし華奢だし。いやでも思い返してみると、なんかほしさんって年上の雰囲気は出てたような⋯⋯出てないような?
まあ、いいか。別にほしさんが歳いくつでも友達は友達だぜ!
「ちなみに年齢を聞いても?」
『21』
わりと年上だった⋯⋯!大人や!ほしのアニキやんけ!
「ちなみに俺高一なんだけど⋯⋯敬語とか使った方がいいですかね?」
『気にしないで』
「ホント?今までみたいな感じでいい?」
『ブルーならいいよ』
ーーとの事である。となれば気にしなくていいか!
しっかし⋯⋯リアルほしさんなんか想像してたのと大分違うなぁ。もっと忙しない感じかと思ってたのに物静かーーいやまだ一言も声を発してないのが原因なとこはあるけども。
「ところでほしさんいつものござる口調は?」
『書くのが大変でござる』
「あ、はい」
なるほどね
⋯⋯⋯⋯。
⋯⋯⋯⋯。
⋯⋯⋯⋯。
「うひょぉお!ほしさんのコレクションすげぇえええ!!!」
そこはまさに宝の山であった。
ほしさんのコレクションが見たかったので何処にあるのかと聞くと、なんと1部屋まるまるコレクションルームというか倉庫で使ってるようで。
壁一面天井まで積み上がったマンガ、ラノベ、ゲーム、BluRay、CD等々が綺麗に並び、クソデカショーケースの中にはフュギュアにローダーに入った超絶レアカードなどがずらり。これは相当なオタクですね。分かります。
こんなんテンションが上がらない訳がない!
うわぁ⋯⋯これ全部で幾らぐらいするんだろ⋯⋯。
「進化系含むスタダの最高レアリティがフルコンプ⋯⋯めちゃくちゃカッケェ⋯⋯!」
ショーケースにかぶりつくように眺めるビカビカの高レアカード群⋯⋯いいなぁ。あー⋯⋯マジで決闘者にとって最高の空間だ。もうここに住みたい⋯⋯。
ちょいちょい。
「⋯⋯ほしさん?」
服を引っ張られたので振り返るとほしさんがやたらとデカイカードファイルを持っていた。
「ハッ!?それはまさかほしさん秘蔵のカードファイル⋯⋯!見せてくれるんですかぁ!?」
「ーーーー(こくんっこくんっ)」
「やったぜッ!」
ほしさんからカードファイルを手渡されて、さっそく開いてみる。
どんなレアカードが飛び出してくるのかと思いきや、意外にも特にレアでもないノーマルカードやあまり高価では無い雑魚カード。
でも、どのカードも見覚えはある⋯⋯。
ハッ⋯⋯!
これは、まさか⋯⋯!
「このカードファイル。一見するとぐちゃぐちゃの順番待ちで並んでるように見えるけど⋯⋯もしかして原作アニメで登場したカード順に並んでる⋯⋯?」
『あたり』
「うほぉ!すげぇ!確かに最初のページは遊太郎と牛尾パイセンが使ってたカード達!俺、結構モソタージュドラゴンとか好き!」
『わかる』
「いやー!ほしさんアニメ3期ホント好きだよね!」
『大好き』
「俺も大好き!あっ!これはあのクソムカつく鼻毛看守が使ってたーー」
カードファイルを見ながら俺とほしさんは時間も忘れてアニメの話で大いに盛り上がった。
男友達とこうして好きな物の話で盛り上がれる⋯⋯最高だぜ!
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