夕暮れのバス

日が沈むのが早くなった。

夕暮れのバスの車窓。

街並みを眺めて


あなたに似た後ろ姿を見つける。


「今何してる?」


届いたメール。

返す言葉をじっくり考えて。

もう少しこのまま見えた景色を噛み締めて。


家に着いたら見えた景色を伝えるよ。

きっとあなたは優しい言葉をくれるから。

分かっているからもう寂しくなんてないよ。


「今日は夕暮れが綺麗だったよ。」


不慣れなカメラで撮影した写真を送ればきっと

あなたは素直な気持ちを教えてくれる。


もう寂しくなんてないよ。

あなたの優しさが今まで以上に伝わってくるから。

これ以上何もいらないなんて言えないけれど。


だけれども、今が幸せだと心から思っている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る