哀愁漂うコンビニの夜

「もう別れよう。」


そんな気がしてた

もうずっと前からこうなるってわかってた


ため息が夜空に白くのぼっていくある冬の日

キミと別れた帰り際のコンビニで久しぶりに煙草を買った


吸ってみたら悲しい味がした

煙草の煙がひどく目にしみて涙が出た


「ずっと一緒にいようよ。」


あの頃のキミの言葉が反芻する

にじんだ涙は煙のせいじゃなかったんだっけ


「うそつき。」


ひとりでつぶやいたら余計虚しくなった

つぶやいた声の音がまた白い息と一緒に夜空に消えた

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