尾張《おわり》の大うつけ3

 その時、最も有力な味方である道三を失った信長に対して、柴田勝家しばたかついえらは弟・織田信勝おだのぶかつを擁立すべく挙兵する。

 「殿!柴田勝家と弟・織田信勝が挙兵しました!」藤吉郎は慌てて入り込んだ。

 「信勝だと⁈弟のくせに!討ってでる、出陣じゃ!」信長か怒りで仁王像の様だった。

 「楽しなってきたぞ。どうする信長、藤吉郎」果心居士はワクワクしながら烏の姿へなって末盛城すえもりじょうへ飛んで行く。

 両者は激突する。

 だが信長軍は怒涛どとうの如ごとく攻め、末盛城すえもりじょうなどに籠もった信勝派を包囲したのを烏の目で観た。

 「クソッ、油断したわ!」信勝は(ドンッ)机を叩いた。

 母・土田御前つちだごぜんから「書状 を送ってみては?」

 「うむ」信勝は渋々と書く。

 「やるな。義龍軍の時も負傷はしたが、戦死者は出ていないっか。面白い、面白いぞ」果心居士は烏になって飛び立つ。

 一方で信長へ手紙を渡した。

 「信長、末盛城すえもりじょうを解放するから赦免しゃめんたもう。と」藤吉郎は言うと「どう思う、サル?」信長が聞く。

 「いや、これは一旦いったんは引く手立てひくてたててで。ただ、もう一度攻めてくると思います!しかし、柴田勝家は使えると思います」藤吉郎は答える。

 「取れると思うか?あの勝家だぞ?」信長は疑問視したが

 「もともと忍びですから!」藤吉郎は(ニヤリ)不気味な笑いをした。

 「解!」果心居士かしんこじは烏の目を解いた。

 「忍びか。だがワシの様なS級の忍びではないぞ」果心居士は笑いながら烏になって飛び立つ。

 「よし、末盛城すえもりじょうをすぐさま明け渡せ!信勝・勝家らを赦免する!」信長は仕方なく藤吉郎の言う通り赦免した。

 信勝はイライラが収まらなんだが母・土田御前は「絶対に信勝が織田家の党首よ!あんな盗賊の信長め!今にみておれ!」

 「これで良いのか?」信長はブスッと顔をしたが

 「殿、あとはお任せ下さい」藤吉郎はベロを舐め回した。

 これはどう言う意味か(バサッ、バサッ)烏は飛び立つ。

 信勝は家を頼ろうと書状を書いた。

 ただこれが問題の火種となった。

 「書状を家に送ります」勝家は届けた。

 しばらくすると勝家が書いたであろう信長の書状がある。

 「これはどう言う意味だ!」信勝が怒鳴った。

 「いや、これはどう言う意味ですか?」勝家は驚く。

 そこには「これで疑いあり。よくやった勝家!」信長に送った書状を信勝が謀反の疑いありという書状を勝家に作らせた。

 「何かの間違いです!策略です!」勝家は全く知りよくもあらず。

 「じゃあ、母印ぼいんもか?」信勝はイライラした。

 「確かにウチの母印じゃ。けどこれは違います!何かの間違いです!」勝家は間違いをすればするほど怪しくなり「出ていけ!顔も見たくないわ!」信勝は怒る。

 信勝は間違いを犯していた。勝家は正々堂々の猪武者ゆえにそんな姑息こそくなことはしないのだ。

 では、誰がやったのか?信長か?いや違う、藤吉郎の忍び軍だ。

 果心居士は「姑息な奴め」(バサッ、バサッ)烏は追う。

 勝家は信勝のところを追い出され

 「信長様、織田家へどうか柴田勝家、忠義をしますゆえお許しゆるしを!」勝家は信長に会う。

 「よい、よい!すまなかったな勝家!これからはわしについて参れ!」信長が勝家を厚く迎えに入れた。

 少し前、藤吉郎が「猪の勝家は絶対に信長様へ頭を下げます。それは許すべき思いますが、信勝様へはどうするべきでしょうか?」「信長は病と称して信勝を打つべし!」信長が冷徹下す。

 ここは親兄弟では一度裏切りと疑いがあれば容赦なく斬るという信長の信念があった。

 信長は病と称して信勝を清洲城に誘い出した。

 「さぁさぁ、信長は病で。信勝様を見られたらさぞお喜びでしょう」藤吉郎は城まで挙がる。

 「こちらで少々お待ちください」藤吉郎は消えると同時に

 「はぇ⁈何故じゃ、勝家⁈」

 「成敗致す。ごめん」信勝を勝家が殺害する。

 「やったか?」信長は入っていき藤吉郎も入ってきた。

 「では、織田家は一つになりました。次はいかに」

 藤吉郎と勝家は腰を落とす。

 すると「まずは尾張おわりを統一する!」信長は強く宣言した。

 信長は、同族の犬山いぬやま城主・織田信清おだのぶきよと協力し、当主・織田信賢おだのぶかたを撃破。そして、翌年には、信賢の本拠地ほんきょち・岩倉いわくら城を陥落かんらくさせた。

 「解!」烏の目を解く。果心居士かしんこじは解いたがもう少し様子見ようと思った。

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