転生したら本でした。(仮)

蒼樹 煉

序章

プロローグーとりあえず、本として第二の人生。いや、本生を歩みたいと思います。-

「今回もダメだったかー…!」


通算1000回は優に越える転職活動を続けている、ボク…というか、私は、今回も不採用だった。

というか、瞬殺で不採用が決まるんだけど?

つーかさ?

既に親のいないアラフォーだよ?

見た目は小学生と間違えられてしまうけど、ちゃんとした40近い大人だよ?

真っ先に面接官から最初の質問で「親は何をしていますか?」って聞かれる度、「両親は既に亡くなっています」ってコレで何千人の面接官に言っているんだろうと思いながら返すとさ?「普通は親ってのは自分たちが70代を超えてからなんだけどねぇ。今の医学は何でもすぐ治る時代なんだし。という訳で周りに不幸移るかもしんないし、今回は見送るって形で!」って一点張りなんだよね。

ってそんなセリフさ?もう、1000回以上も聞かされたわ…!

今もまだまだ、何でもすぐ病気とか治る時代じゃないし!

今の医学は、確かに昔よりも進んでいるとはいえ、何でもすぐ治らないって!


「はぁ~………マジで前職を辞めるんじゃ無かったかなぁ」

そう、ボク。一応さ?

前職でちゃんと仕事をしていたんだよ。

でも、続けていく内にどんどん暴言を言うオバハンが増え、精神的にストレスで参ってしまい、退勤する度、高熱・頭痛・眩暈・嘔吐の四拍子が続いたんだよね。

そんな状態がコレから毎日のように続くと思うと、絶対に無理!死ぬし!

何度、上司に暴言を何とかしてくれと報告しても、ただただ注意するだけだしさ。

それならば、今よりももっと良い職場で仕事した方がいいっしょ!?

ただ、今は昇級制で時給は2年目で1500円以上と聞いて、マジで辞めるんじゃ無かったと後悔ばかりが募っているんだよねー…。


「マジでどっか良い仕事、早く見付からないかなぁ…んっ!?」

口癖と化していく呟きを吐きながら、ガタガタガタガタガタッ!という、今までに感じたことのない強い揺れを感じた。

そのまま、ドドドドドドドドドドドドドドッ!!!という揺れの流れに逆らえないまま、ボクは趣味のファンタジー系の資料各種の入ったリュックを抱えながら、意識を手放してしまったのだった。



はぁ~…メッチャ強い揺れだったなぁ。

って…あ、アレ?

声、出てないよね?

まさかと思うけど、ボク…本村美夢モトムラミユは死んだってこと!?

ま、マジ?まだ、40前のアラフォーなのに!?



『この度はご愁傷様です』

ってどこの誰やねん!というか、ご愁傷様って言うなっての!

というか、死んだのか…ボク。

『ご冥福をお祈り致します』

いやいや。それも悪いから!

というか、今更ながらと異世界あるあるのお告げ?

ボクみたいな平凡な名前が?

『名前は関係ないと思いますけど?とりあえず、異世界あるあるなので、異世界に転生しますか?』

異世界に転生ってことはさ?

いわゆるチートとか?

良くスライムとか剣とか様々な魔法を使いこなす人間とか転生系のライトノベルは良くあるけど、そういう異世界系に転生ってことだよね?

『そうですね。ただ、チートはないですね』

あー…だよね。

さすがにもうチートっていうのは、時代遅れというか、期待しちゃダメだよね。

まぁ、憧れのチート系を持った異世界転生って密かに夢を見ていたけど。

『なので、本として転生しますか?』

はぁ?本?ファイア系の魔法で燃やされて、あっという間に御陀仏確定じゃん?

というか、種族ですらないし!

そもそも、本って喋れないじゃん!

ま、まあ…ボクは口下手だし、思っていることがスラスラと言葉は出て来ないけどさ。

『確かにファイアで燃やされてあっという間の本生確定ですね』

確定かよ!そこはさ?否定してよ!

もう、第二の人生が本生ってのは確定!?

『ええ。名前に本がありますから確定です』

うー…名字に本があるだけに確定って…。

本だから燃やされて終わりのあっという間に終わる確定って…。

『冗談ですよ』

じょ、冗談か。良かった。

本としてあっという間に終わる第二の未来じゃなくて。

何かこうサラリと言われると、冗談に聞こえなくて笑えないなぁ…。

『とりあえず、そろそろ異世界に転生しますか?』

そ、そうだね。

このまま、ズルズルとここに居ても埒が明かないし。

『それでは、本として頑張ってくださいね!』

って冗談じゃ無かったんかーい!


とまぁ、何かと流されるままに、色々と転生する異世界について分からないまま、ボク、本村美夢は、本として第二の本生を歩むことになってしまった、哀れなアラフォーであった。




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あとがき

とりあえず、新作です。

が、本編掲載は、超絶(×∞)気長にお待ち下さい。

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