NDSラボに新たなチームが加わるとき、組織に新たな波乱が訪れる。過去と未来が交錯し、科学と現場が交わる瞬間、彼らは真実の深淵に迫る。

第42話 影の組織の動向

夜の東京、薄暗い路地にある高層ビルの一室。街の喧騒から隔離されたその部屋には、緊張感が漂っていた。部屋の中央には巨大なスクリーンがあり、そこに世界各地の主要都市の地図が映し出されている。スクリーンには赤いマークがいくつも点滅しており、それは「オルタナティブ」が次に仕掛ける計画のターゲットを示していた。

部屋の奥に立つリーダーは、鋭い眼差しでそのスクリーンを見つめていた。彼の姿は影に隠れているが、その背中からは冷徹な決意が感じられた。彼は手に持ったタブレットに視線を移し、作戦の最終確認をしていた。

「作戦は順調に進行しています。」リーダーは部屋に集まった数人のエージェントに向けて、低い声で話し始めた。「各拠点からの報告によれば、予定通りに全てが進んでいる。次の段階に移行する時が来た。」

エージェントたちは無言で頷き、リーダーの言葉に耳を傾けていた。彼らの表情には迷いはなく、計画の成就に向けた確固たる信念が宿っていた。

「NDSラボがこちらの動きを察知している可能性はありますか？」一人のエージェントが口を開き、リーダーに尋ねた。

リーダーは冷静に答えた。「彼らがこちらの意図を完全に掴んでいるとは思えない。だが、油断は禁物だ。NDSラボはこれまで何度も我々の計画を阻止しようとしてきた。彼らが全力で立ち向かってくることは間違いないだろう。」

リーダーは一瞬間を置いてから、部屋を見渡した。「だが、それでこそ、我々の計画の価値がある。NDSラボがどれだけ優れた組織であろうと、我々を止めることはできない。全てはこの瞬間のために準備されてきた。我々は、既存の秩序を覆し、新たな世界を築く。今こそ、我々の理想を実現する時だ。」

その言葉に、エージェントたちは再び無言で頷き、静かに指示を受けるために動き出した。彼らはそれぞれの役割を果たすべく、自分の持ち場に戻っていく。部屋には再び静寂が訪れ、リーダーはスクリーンに映る地図を睨みつけたまま、しばし動かなかった。

「NDSラボがどれほど強力であろうとも、我々の意志を止めることはできない……。」リーダーは自分に言い聞かせるように呟き、冷酷な笑みを浮かべた。「全ては、今夜が決戦の時だ。」

彼はスクリーンの電源を切り、部屋の明かりを落とすと、静かに出口へと向かって歩き出した。部屋を出る直前、彼は一瞬立ち止まり、振り返って部屋全体を見渡した。

「次にここに戻ってくる時、世界は我々の手の中にあるだろう。」

その言葉を最後に、リーダーは部屋を後にした。彼の背後でドアが静かに閉まり、部屋は完全な暗闇に包まれた。