【あらすじ動画あり】5話(3)【和風妖怪ファンタジー】

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【あらすじ動画】

◆忙しい方のためのショート版(1分)

https://youtu.be/AE5HQr2mx94


◆完全版(3分)

https://youtu.be/dJ6__uR1REU

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「——ところで銀坊」


重たい空気に似合わないゆったりとした陵蘭の声が響く。


「何やら難しい顔をしているところ悪いが、今回の探しモノは何かのぅ。お前さんはそのために来たのだろう?」

「あ…」


すっかりと忘れていた。今日裏町に来たのはあの男装の麗人の依頼のためだった。


「ええっと、今日は女の子を探しに来たんだ。紅子っていう——」

「紅子!? それって紅団の紅子か?」


聞き返してきたのは辰政だった。


「う、うん。何でも数週間前からいなくなったとかって…」

「嘘だろう。そりゃ、やっかいだな…」


苦々しい顔をした辰政に銀次は首を傾げた。


「どうゆうこと?」

「いや、それが…エンコにいる不良少年団にはそれぞれ所場が決まっててな。時々その割り振りを巡って戦争が起きる。それでも今のところ何とかなってたんだが…もしエンコ最大勢力の紅団頭領がいないとわかれば、他の団が出張ってくるかもしれない。そしたら黒団にも火の粉が降りかかってくる——ということでだ」


辰政は意外とこざっぱりした顔で言う。


「俺も紅子を探すのを協力する。それと清一郎さん探しもだ。あんまり覚えてないけど、俺もあの人には世話になったしな」

「辰っあん!? でもっ…」

「でも、はなしだ。約束しただろう? 俺たちは何でも助け合おうって」


銀次は何かを言おうとして、結局何も言えなかった。


「よし、これで決まりじゃのぅ」

銀次が迷っている間に、陵蘭が勝手に仕切り始めた。


「して、お前さんたち。その紅子とやらを探すのなら、わてがいい情報をもっておるぞ」

「ちょっと、待って…!」


銀次は慌てて陵蘭の口を塞ぐ。


「ちなみに、そのお代は? 同じ手に何度も乗るほど、うつけじゃないからな」

「なあに、いらんよ。さっきのタダ働きの返礼だ」


本当かなぁっと思っているうちに、陵蘭は話を先に進める。


「あれは二、三日前だったかのぅ。わての知り合いの妖怪のところに不思議な女子(おなご)が訪れたそうじゃ。何でもその女子は紅と名乗り、髪に赤いリボンをしてたとか——」

「「それだっ!」」


銀次と辰政は陵蘭に詰め寄った。

赤いリボンは紅子のトレードマークだ。


「で、その知り合いって?」

「なに、銀坊。お前さんもよく知っている連中だ。いつも一緒に仕事しておろう?」

「は? 一緒に?」


銀次は必死に考えたが、思い当たる節がなかった。


「わからないかのぅ? ではこう言えばわかるか。花ちゃん、やーい」

楽しそうに言う陵蘭を前に、銀次は固まった。


「え? 嘘だろう…」

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