第41話 お嬢様マリア
ギルドでEランクの依頼を請けたレン。早速、ミッドラル王国南区のマリアの豪邸へと赴いた。
「かあー! でっけーなぁ! スラのんも見てみろよ!」
レンはスラのんを頭に乗せると、スラのんはぽよーんぽよーんと跳ねていた。
門の前には執事らしき人が立っていて、レンたちは怪しまれて連行されそうになるが、依頼書を見せると執事らしき人は頭を下げた。
「ころまる様のお散歩ですね。失礼いたしました」
「ころまる様?」とレンは様付けに違和感を覚えた。そこへ……
腰まである長い黒髪の少女が現れた。少し焼けた肌を服から覗かせて、厚めの靴をコツコツと響かせながら近づいてきた。
割と澄んだ目の少女はレンをじろりと見回すと、軽く手を叩いた。すると執事たちがころまるを担ぐようにその場に運ぶのだった。
「私、マリア。ころまるをよろしくね! よく噛むけど甘噛みだから大丈夫」
レンは担がれたころまるを見た。
「なんだぁ? でかい毛糸の玉かと思ったぜ」
「相棒、これがころまる?」
レンはころまるに近寄って顔を確認しようと試みた。顔はそれほど影響がないみたいだ。しかし体は太り過ぎてまさにまんまると言える感じだった。
「動けるのかあ? こいつ」
ころまるのリールをちょいと引っ張ると、耳をピクッと動かしあくびをした。
「散歩する気無いだろう……」
レンがころまるを無理矢理抱えて立たせると、ころまるはレンの右手を噛んだ。が、甘噛みのためあまり痛くは無い。
「こいつ、俺の手を食べ物だと思ってんな……」
抵抗するころまるにレンはリールを再び引っ張るもその体重からかビクともしない。
「くっ! 重い……!」
マリアはとりあえずこの屋敷の庭を一周してきて欲しいと頼んだ。
「頼むも何も動かないんだが?」
「安心して、私の場合も動かない」
「安心できるかっ!」
(見ているだけなら最高に可愛いやつなのに)
レンはもやもやと心の中でぶつぶつ呟いていた。
そしてマリアとその取り巻きたちは屋敷に戻っていった。レンたちはこのころまるを一周させる任務を負うことになったが、速攻で挫折しそうな勢いであった。
スラのんはレンの頭から降りるところまるの背中に乗ってぽよぽよ跳ね始めた。しかしころまるはそんなことは気にせず、眠そうにあくびをするのだった。
//////////
ついにころまる様の登場!
太っちょやないかーいっ!
この食いしん坊がぁ!♡
私もウォーキングしないと、太りはじめています(^-^;
どうしたら痩せるの?(え?
σ(^_^;)?
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