第38話 【閑話】ウォルター商会


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 ギルド総管理部の雷鳥ライチョウはウォルター商会を訪れていた。R.ウォルターに呼ばれてことだった。

 ウォルター商会の建屋の入り口には二人の強面の男が立っていて雷鳥を視認すると鋭い眼差しを向けた。雷鳥は目を合わせること無く扉をくぐると、会長室へと足を進めた。

 二階の奥の部屋の前には秘書と見られる女性が立っていた。


「雷鳥さまですね。話はうかがっております」


 雷鳥は止めた足を再び動かし、会長室に入った。


「雷鳥か、座れ」


 雷鳥に背を向け立派な椅子から窓の外を眺めて言う。雷鳥が黒張りの長椅子に座ったところで、R.ウォルターは話を始めた。


「水質調査についてだが、進捗状況を聞かせろ」

「ええ、アッシュが地下97階層から採取水サンプルを持ち帰りました。含有物を調べています」

「分かった、状況が進展次第報告しろ。これは報酬だ」

「ありがとうございます」


 R.ウォルターは大椅子から立ち上がると、雷鳥に報酬を手渡した。


「ところで……」


 R.ウォルターが椅子に戻ろうとしたところ、雷鳥が切り出した。苛立ちのようなオーラを放ちながらR.ウォルターは振り向いた。


「なんだ」


 雷鳥は採取水サンプルを調べて何の得があるのかを当たり障りの無い言葉で聞いた。


「ギルドの連中には関係無かろう」


 雷鳥は諦め半分希望半分でもう一度角度を変えて聞いてみた。


「ミッドラル王国より遥か東の国には汚泥を飲む人もいるとやら。ウォルター会長はその人たちを?」

「……けっ」


 当然違っていた。R.ウォルターの思惑は別にある。


「ダンジョンには希少な純度の高い水が存在する。それは高値で売り買いされる。まあ、つまり、でしょうか?」


 少し高圧的に言い放った。


「……」


 しばらくの沈黙ののち、R.ウォルターは椅子に座り直した。だが沈黙は続いた。

 沈黙に耐えきれなくなり雷鳥はウォルター会長の部屋を出た。


 「しかし、依頼は依頼。この依頼は確実に遂行しますよ……」


 呟くようにし、雷鳥はウォルター商会の建物をあとにした。




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んー。

希少価値のある水でしょうか。

高額な壺みたいな?(え?

なるほど、商売になりそうです。


σ(^_^;)?




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