君へ

君へ

君へ


手離す愛もあると思う

これが正解なんだと思う


君の本当に望むものを与えたい

君の本当の願いを叶えたい


私の全部をあげてきた

でも叶えられなかった

私は君の望むような人じゃなかったから


君は私の夢だった

夢はいつか醒めるものだった

ずっと夢を見ていたかった


夢は現実になれない

私といることは君のためにならない


これだけは覚えておいて

私は本当に君だけを愛している

これからもその先もずっとずっと

本当に愛しているから

君の本当の幸せを叶えたい


嫌われたって何したって

きっと正しいからこれでいい


君へ

どうか元気に暮らして

どうか暖かな家庭を築いて

どうかいつまでも幸せにいて


何度も通った夜の高速道路

寝てる君の頬にそっとキスして帰った朝

もう訪れない街

君のいない助手席

君の来ない部屋


君からもらった白い恋人も

博多土産でもらった「ずっと一緒」も

まだ食べられないでいる


君の幸せは君の大切な彼女達にしかつくれない

私は君をいらだたせることばかりだった

君にとって私は一番大切な人ではなかったから


私が手放すことで叶うなら

君の本当の幸せを望む

君が幸せならそれでいい


最後に触れた君の体温と

大好きな君の爽やかな香りを思い出しながら

積み重ねた幸せだった時の記憶に包まれる

ずっと一緒にいたかった


私のいない場所で見せる君の幸せな顔を想像し

私は夢を見る

幸せな夢を見る

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