第34話 玲奈は……

「……ゆうちゃん」


 数分間、悶え終えて勇をジト目で見始める。


「……」


 勇は真理亜のジト目の視線をあわせないようにしている。


「皆神さん」

「玲奈ちゃんと呼んでくださいませ」


 玲奈は真理亜の視線を合わせずに話をする。


「……?」


 真理亜は玲奈の言葉を交わすことに違和感を持ち始める。


「……玲奈ちゃん、その師匠という方はゆうちゃんの条件をクリアしたんだね」


 真理亜は玲奈の視線の位置に移動して話す。


「はい、ゆうちゃん検定(合格点は98点)100点満点中98点で合格して結婚までしましたね」


 玲奈は真理亜の視線を合わせずに話をする。


「……玲奈ちゃん?」


 真理亜は違和感の正体に気づき始める。


「真理亜様の言いたいことはわかります」


 玲奈は視線が違う方向を向いた。


「……目が見えないの?」


 真理亜は玲奈に聞く。


「はい、そうです」


 視線が外れた状態で笑顔で真理亜に答える。


(私の家まで)

「真理亜様の家までは勇様の魔力を辿ってきました」


「!?」


 私の考えてることを玲奈は言葉にして返す。


「……私の言葉を先読みしたの?」


 真理亜は玲奈の目を見る。


「いいえ、違いますよ。真理亜様」 

「違う?」


 真理亜は何か違和感のある感覚と不機嫌な表情になる。



 玲奈は優しい表情を見せる。


「ち」

「違いはありますよ」


 真理亜の言葉を被せるように玲奈は答える。


「目は見えなくても、あたくしは真理亜様の表情も何となくですがわかりますよ」


 玲奈は笑顔で言う。


「……」

「……真理亜様、不気味だと思ってますね」


 玲奈は真理亜に言う。


「……」


 真理亜は無言で頷く。


「真理亜様が感じた通りに不気味だと思うのは当然の反応だと思います」


 玲奈は笑顔で言う。


「なんで」

「あたくしは真理亜様のスリーサイズ、バイタルもわかりますよ」


 玲奈は突然、真理亜の話す前に言う。


「!?玲奈ちゃん」


 真理亜は驚く。


「……あたくしは無限の空間ダンジョンでこう言われてました」


 作り笑顔で玲奈は言う。

 











ソウルマインドを喰らう者といわれてます」

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