ユニコーンがわたしに寄り添う
崇期
視覚
わたしが連れてきたユニコーンが妻の膝の上でおとなしくしているのを見ると、不思議な気持ちになる。
だって、ユニコーンは処女に抱かれるとおとなしくなる──という通説が有名なのに。
「わたしの清らかな心を見抜いているんだわよ」と妻は笑うが、近所の猫には避けられていただろう。
わたしも「うちの花壇を荒らすなよ」、と鋭く睨んでいたからよく嫌われていた。今ならそんなこと、もうどうでもいいやと思うのに。
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