第5話 4日目 クノックヘイストにて 修正版
※この小説は「欧州の旅の果て」の修正版です。実は、パソコンの操作ミスで編集中に保存できなくなり、新しいページで再開した次第です。文言や表現を一部修正しております。もう一度読み直していただければと思います。
トラベル小説
朝、目を覚ましたら彼はすでに起きていて、部屋にあるコーヒーを飲んでいた。
「おはよー。寝られましたか?」
「ええ、お・か・げ・さ・ま・で」
と不機嫌そうに言うと、彼は笑いながらコーヒーを入れてくれた。
「今日はどちらに?」
「今日は海に行こうと思っている」
「すてき、ヨーロッパの海、見てみたい」
「南ヨーロッパじゃないから、そんなにきれいじゃないよ。北海はどちらかというと、暗い海だよ。でも、魚はおいしいよ」
朝食を終えて、ダムという街に寄った。そこに見せたい風車があるとのこと。運河ぞいにある風車は、真っ白で画になるものだった。彼にとっては、思い出深い風車とのこと。ここも奥さんが好きな場所だったらしい。彼は黙って風車に見入っていた。
その後、クノックヘイストという海ぞいの町に行った。長い堤防ぞいにリゾートマンションが建ち並んでいる。海岸には、テントやバンガローが並んでいる。レンタルで日光浴をするためのものとのこと。ベルギーの人たちは、泳ぐことより日光浴をするために海に来るらしい。冬の間、太陽を見ることが少ないので、陽がでると肌をあらわにするらしい。胸を見せることにはあまり抵抗がないようだと彼は言っていた。確かに寝そべっている女性の中にはブラをつけていない人もした。
6月の海はまだ冷たく、海に入る気にはなれなかった。サーフィンをやっている人が何人かはいた。青い海を期待していたが、どちらかというと灰色の海だった。
「タラの料理を食べに行くよ」
と彼が言ってくれたので、機嫌を直してついていった。レストランでタラのムニエルを食べた。柔らかくて、甘さもあり、こんなおいしい魚があるとは知らなかった。ステーキよりおいしい魚料理を初めて食べた。ただ、フルコースの料理だったので、食べ終わるのに2時間かかった。前菜がでてくるまでに30分。サラダとスープがでるまで30分。メインのムニエルがでるまで30分。そしてデザートがでてくるまでまたまた30分。それがヨーロッパではふつうだとのこと。待ち時間に、彼のうんちく話を聞かされるのが、このころからやや苦痛になってきた。
夜はまた食欲がなく、またまたバーでワイン。今夜は私が疲れて先にダウン。ラブラブの雰囲気にはならなかった。
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