西湖白蛇伝

西湖の白蛇伝 「書き下し文」

昔、浙江の西湖に白蛇の精が住みたる。白蛇精，形は美麗、心は善良なり。千年の修行を経て、人間界に下り、善事を為さんとするも、因果の法則により人の姿を取る必要あり。

一日、白蛇精は人の姿に変わり、湖畔の町に到り、そこで青衣の若者に遇ふ。名は許仙、善良にして正直なり。白蛇精は許仙に恋し、彼に助けられし縁により、共に過ごすこととなる。

然しながら、白蛇精の妖力を察知した僧侶、法海と名付けたり。法海は言う、「妖と人の結びつきは、天の理に反す。すぐにこの結びつきを断たねばならぬ。」

法海は白蛇精に対し、様々な試練を課すも、白蛇精は許仙との愛により、すべてを耐え忍ぶ。許仙もまた、白蛇精の真心を知り、二人の愛は深まる。然れども、法海の追及は終わらず、ついには許仙を誘惑し、白蛇精を捕らえんとする。

最終的に、白蛇精は許仙を守るために、彼を助ける力を使い、自らを犠牲にして彼を救う。許仙、彼女の犠牲を悼み、白蛇精のために悲しみ、決して忘れず。白蛇精の霊は、湖の底にて安らかに眠り、その後、白蛇精の伝説として語り継がれたり。