17.私の可愛いお嫁さん(☆)(※六花視点)
優太の隣にいると、あの時と似た心地になる。安らぎと充足感。甘酸っぱいような、
もっと一緒にいたい。そう思うようになってからというもの、私はやたらと子供じみた行動を取るようになった。優太の気を引こうとしたり、
『…………』
気になって何度も心の中を覗こうとした。けど、ダメだった。何も見えない。他の妖や人間相手なら、容易く読み取ることが出来るのに。神め。まったくもって腹立たしい限りだ。
『んっ……はぁ……っ、ゃ……っ』
優太の薄い胸に舌を
『りか……さっ……』
優太が快楽に染まっていく。だけど、これは偽物。作られた情動だ。行為を促進させるための一種の
分かってる。分かっていても、つい夢を見てしまう。仕組まれた情欲の裏には本物の情欲が。優太もまた私を求めてくれているのではないかと。
『優太……』
熱で
『リカさん――』
『っ!?』
名前を呼ばれて我に返った。慌てて距離を取る。心臓が煩い。落ち着け。冷静になるんだ、私。息を整えつつ、それとなく優太の様子を窺う。
『えっ?』
優太は酷く傷付いたような顔をしていた。
「はっ……んっ、ぁ……」
思いを確かめるなり、私は優太に口付けた。一度し出したら止まらなくて。
「りか、さん……っ」
いじらしく私の名を呼ぶ。目尻からは涙が零れ落ちて。月並みだけど綺麗だと思った。同時に衝動が湧き上がってくる。汚したい。無垢で純粋な君を。
「抱きたい」
「っ!」
優太の耳元で囁いた。途端に優太の背が大きく跳ねる。
「でも……ここ……じゃ……」
優太が気まずそうに目を伏せる。参ったな。周囲に目を向けられる分、優太の方が数段
「山小屋に行こうか。あそこでなら存分に。
「なっ!? なっ……!!!」
優太の顔が真っ赤に染まる。してやったり。……なんてね。優太の前だとつい子供じみた振る舞いをしてしまう。何処かで改めないと愛想を尽かされてしまうかもしれないな。
「それじゃあ、行こうか」
優太が頷いたのを見計らってゆっくりと抱き上げた。それと同時に私の着物の襟を掴んでくる。自然と思い起こされるのは、初めて会った日のことだ。
『おおおおっ!! おろさないで!!!!』
そう言って君は取り乱していたっけ。まったく。あれからまだ2日も経っていないというのに私達は……。いや、妖である私の2日と、人間である優太の2日とでは重みが違うか。優太は他の人間同様
手がないわけじゃない。ただ、優太が
大きく跳躍して山頂を目指す。途中で縁側でくつろぐ
「あの……本当に俺でいいんですか?」
優太が尋ねてくる。眉尻を下げた不安げな表情で。どうやら
「優太」
「……はい」
「覚悟しておいてね♡」
「はい? ……はいっ!?」
戸惑う優太を他所に、鼻歌交じりに山を駆けのぼっていく。私の可愛いお嫁さんとの素敵な未来を思い描きながら。
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