狭間の世界のレティア姫2 秘められたチカラ
重そうな鎧を着込んだ鋼鉄を軽々と一本背負いで投げるレティア。
そのチカラに圧倒されて宙を舞いながら思わず声を出してしまう鋼鉄。
「ぬぅっ! その小さな体のどこに、そんな膂力がっ?!」
お互いに距離を取り闘いの構えを取り直す。
「ねえ、背中の剣は使わないの?」
「君は武器をつかっていない。素手での勝負をお願いしたい」
「ふぅん…………」
手足に着いた鉄球をブンブンと振り回しながら何か考え事をしているレティアだったが、ふと、鋼鉄の着ている鎧に目を向けると、何か思い出したように喋り出した。
「あ、…………その鎧…………ディフュージョンスーツでしょ」
「む? よくわかったな。その通りだ。ウィディア神から譲り受けた物だ」
「昔、その鎧の所有者と戦った事が……ある。とても…………強かった」
振り回してた鉄球の手を止めると、彼女の周りの空気が変わっていく。
とても深く、重々しいものに。
「その着ている鎧に恥じないチカラを…………わたしに見せてっ!!」
突如として湧き上がる力の奔流!蒼と翠のオーラが、彼女の全身を包み込む!!
「竜紋(ドラゴニック・セイグラム)!!」
レティアの額と両手の甲に紫色の竜の紋章が浮かび上がり、空間が唸りを上げ稲妻が迸る。純粋なる身体強化のチカラ、ドラゴニック・セイグラム。その真価は底が見えない。
「はあああああああああ!!」
「むぅっ!! これがレティア姫の竜紋(ドラゴニック・セイグラム)! 凄まじいパワーだ…………!」
レティアの解放したチカラに見とれる鋼鉄だったが、すぐに冷静さを取り戻し、自身の鎧の能力を引き上げる音声認識を読み上げる。すると鎧に付けられているヒーローベルトのようなものからシステム音が響き渡ってきた。
「感情ドライブ起動、各種ブーストのオーバーリミット解放」
システム音)感情ドライブ起動承認。ブーストオーバーリミット解放シマス。
鋼鉄、レティアともに深く腰を落とし闘いの態勢に入る。これから始まるであろう激闘の幕が、とうとう上がろうとしていたーーー
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます