数式の彼女

勉強会合宿六日目

合宿の六日目、教官たちの話し合いの結果、稲の意見が高く評価され、新しいテスト問題の構築に関する会議が行われることが決まった。そのため、この日は自由時間として設定された。

冬と稲は、この機会を利用して合宿施設の近くに広がる森に散策に出かけた。朝の陽射しが森の中に柔らかく差し込み、葉の間からのぞく光が地面に点々とした模様を作り出していた。湿った土の匂いと、鳥たちのさえずりが心地よい静けさを作り出している。

森の中に足を踏み入れると、冬と稲は大自然の中でリラックスしながら歩き始めた。木々の間を縫うように続く小道を進み、時折立ち止まっては周囲の風景を楽しむ。冬は、この静かな環境の中で心を落ち着け、勉強の疲れを癒していた。

稲は、歩きながら考えを整理し、これからの課題や新しいテストの問題についてのアイディアを巡らせていた。森の中の木々や小川のせせらぎに耳を傾けることで、新しい発想が生まれることを期待していた。

二人は、森の奥深くにある小さな清流の前で立ち止まり、その美しい景色を堪能した。静かな時間が流れ、心が自然と調和する瞬間を楽しむことで、また新たなエネルギーを蓄えた。