飛行機の話し
勉強会合宿の2日目、冬は部屋で講義のノートやメモ、模擬試験の回答用紙とにらめっこしていた。頭を抱えながら問題に取り組んでいる冬を見て、稲はその横で、のんきに模擬試験の答案用紙で紙飛行機を折り始めた。
冬がその姿に呆れていると、突然稲が言い出した。
稲 「ねえ、冬。飛行機がなぜ飛ぶのか、知ってる?」
冬は一瞬驚きながらも、計算問題に集中し続けていたが、稲の質問に応じた。
冬 「それは翼に…揚力ができて、それで…その…」
冬は飛行機が飛ぶ理屈を説明し始めたが、途中で言葉が詰まってしまった。稲はその様子を見て、紙飛行機をふわりと飛ばしながら、静かに語り始めた。
稲 「飛行機が飛ぶのは、翼が空気を分けることで上昇する力、つまり揚力が生まれるからだよ。翼の上側の空気が速く流れることで圧力が下がり、下側と比べて揚力が生じるんだ。」
冬はその説明に驚き、稲の意外な趣味と知識、そして見識に感心した。
冬 「稲、君って意外に詳しいんだね。飛行機の理屈まで知ってるなんて…」
稲 「ええ、ちょっとした趣味さ。勉強の合間に何か新しいことを知るのが楽しくて。」
稲はそのまま紙飛行機を飛ばし、優雅に空中を舞わせながら、静かに語り続けた。
稲 「あと、飛行機のデザインや形状も、揚力を最大化するために工夫されているんだ。例えば、翼の形や角度、エンジンの位置などが飛行に大きく影響するんだよ。」
冬はその話を聞きながら、稲の新たな一面に驚き、またその知識がどこから来たのかを不思議に思った。勉強の合間の軽い会話が、二人の関係をさらに深めるきっかけとなった。
冬 「なるほど、面白い話をありがとう。リフレッシュできたよ。」
稲 「どういたしまして。冬も頑張ってね。勉強も大切だけど、気分のクリーニングも大事だよ。」
こうして、二人は静かな時間を共有しながら、再び勉強に戻る準備を整えた。
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