ダイイングメッセージ

幾度と体に響き渡る雷鳴の数数えを忘れた頃、肉は骸に近づき薄い層となり、

雲一つないかんかん照りの大空が出来上がり、

かんかん照りの大砂漠から雨を降らせと煩いから、

酌を取ったところまでは良かったが、そうとは忘れて左の手はそのままに、

気になる方角へ向いた顔の右の手に、いろんな電気の信号が、伸びゆく根の幹幹に伝達して、やっぱり根の一番長い所が、

水をよこせ、と喚いているから、ああ、そうだった、そうだった、すまん、すまん、ごめんなさい、と、思ったか思ってないか、

心に込もっていない格好で、意識が天秤を、無意識の中の認識分傾けて、喚いているところに僅かな水を注いでやったが、

灼熱の大砂漠では、とにかく欲す大砂漠では、大地に届くや否や、一瞬のうちに炎のように蒸気になり、大気に成り果てて、姿と形が見えなくなった。

そのものたちは、一枚の紙の中で化石となって、いたことを示すものの、それがなんであるかなんか、分かりようもないもので、

ただただ、あったことだけのことで、そんなものに理のようなものを思うのは、そういうことを思うところに歩いてきたのだと思う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る