第21話 追い金なしで車を買い換えられたら最高じゃん②
結論から言うと、車の買取りと残債処理、そして次の車の乗り換えまで、すべて隆人兄ちゃんの構想通り事が運んだ。
そう。
想定以上の高額買取りだけでなく、同じ販売会社で買い換えもしたことによって、残債処理も同時に行えたのだ。窓口もひとつだから、わずらわしい手続きも一切なかった。
それに、購入を決めたいわゆる新古車だけど、先月に新車登録されたばかりの未使用車で走行距離も100km以下。まだ新車の香りがするキレイな車だった。
新古車といいながら法的には中古車だから保証は短いのかなって思っていたけど、新車保証が継承されるらしくてほぼ5年保証だったんだよね。
これも事前に隆人兄ちゃんに聞いていたことだけど、欲しい車種やボディカラー、装備が合致すれば本当にお買い得だと思う。
ただ、隆人兄ちゃんいわく、新車の納車がものすごく長いような人気車種は、新古車の方が新車よりも高い場合があるから注意が必要らしい。
この辺りは転売とかと同じで、需要と供給の法則ってやつなんだろうね。
とにかく、追い金なしで希望の現行モデル軽自動車を購入できたのは大きい。
後は滞りなく書類を揃えて、今の車の引取りと納車をしてもらうだけになった。
そして、もうひとつ。
家の建築という大イベントが控えている。
出産前に人生最大の買い物をするわけだけど、隆人兄ちゃんからは今回の車購入ではローンを組まない方がいいというアドバイスをもらっている。
なぜかって?
もちろん、住宅ローンで不安を残さないためだ。
他に借入とかはないけど、車のローンを先に組んだ場合、住宅ローンの借入限度額に響く可能性がまったくないわけではないからだそう。
隆人兄ちゃんいわく、「土地は借地扱いでローンは組まないから問題はなさそうだけどな。まあ、無闇矢鱈に借入額を増やして、将来の自分を追い詰める必要もないだろう。」とのこと。
何となくだけど、言ってる意味がわかった。
『家賃と同じ額なら住宅ローンを組んでも問題ない』
不動産屋さんの常套句で、ポスティングされているチラシにもよく記載されている。
「家賃以外にも管理費とか駐車場代がかかるように、家もローンの支払いだけじゃ全然足りないからな。」
そうだよね。
隆人兄ちゃんのその言葉を聞いて、こういったことを意識しながら将来を見据えるのが、一家の大黒柱としての責任なんだろうなぁと思ってしまった。
知識がなければ、それを補ってくれる人に頼ればいい。
わからないからと放置しておくと、色んなところで損をする。それは金銭面だけでなく、夫としての、父親としての威厳や信用を削ることにもなるのではないだろうかと思った。
隆人兄ちゃんみたいにはなれないのはわかっている。でも、その話を聞いて理解できるように努力することはできるだろう。
わからなければ聞けばすぐに教えてくれるけど、自分で考えることを放棄しちゃうといつまでたっても成長できない。
夫としても父親としても初心者マークの自分は、努力と研鑽あるのみだ。
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