第284話
今日はヘルパーさんの日。いつも通り買って来て欲しい物をリスト化して準備万端だ。だがいつもとちょっと違うのはベリーさんの家に持って行く手土産を買って来てもらうという事だ。
一応、案としてはきびだんごを買って来てもらう予定だがこれだけで良いんだろうか。もう少し色々買っていくべきかな?そもそもベリーさんって何人家族?
「メッシュ。ベリーさんって何人家族だった?」
「あいつの家であいつ以外に人間を見たことはないぞ。今から聞いてくるか?」
「いや、わざわざ聞きに行かなくていいよ。教えてくれてありがとう」
一人で山奥に住んでいるのか。本当に私と似ているところが多いな。だからせっけんと出会えたのかもね。
Uさんが来るまで私はリビングでコーヒーを飲みながらネコ達と遊ぶ。最近のネコ達はトウキ達とも一緒に遊ぶようになった。先輩達が面倒見がよくてよかったね。
「ヘルパーさんが来たわ。行ってくる~」
「よろしくね。じゃあ私達も玄関に移動しようか。みんな外へ行くよ」
私の掛け声とともに『守り人』達が体にくっついてくる。先生も呼んでおいた。これで全員集合だね。
玄関で待っているとヘルパーさんがやってきた。私達はいつもの挨拶を行い買って来て欲しい物をお願いする。そこで私はヘルパーさんに質問した。
「追加でお願いしたい物があります。ベリーさんの家に行くときに手土産を持って行きたいのできびだんごを買って来てもらえませんか?」
「問題ありませんが、あれで良いんですか?」
「岡山が誇る名産品じゃないですか。ダメですかね?」
「ダメじゃないですけど・・・。分かりました」
「あともう一つ何か手土産を持って行きたいのでヘルパーさんのオススメとかないですか?もちろん食べ物で」
Uさんなら何か良い食べ物を知っている気がする。
「少し高くても良いんですか?」
「問題ないですよ」
「ならおすすめしたいお菓子があります。ついでにみんなの分も買ってきましょうか?」
「是非!私も食べてみたいです」
私の体にくっつきながら喜ぶ『守り人』達。中心地にいる私にとっては君達の音量が凄いから落ち着こうか。
「他にはありますか?」
「後は~」
ネコ達が手を叩く。そうだ。忘れていたよ。
「そうだたまごボーロを多めにお願いします。あとペットのおやつですかね」
「ペットのおやつですか?」
「メッシュがニンジンビスケットにはまってまいして。他の子達も色んなおやつを食べてみたいらしいので適当に買って来ていただけると助かります」
カリカリと音がする。ちゃんとメモに書いてくれているらしい。
「分かりました。では買い物に行ってきますね」
「よろしくお願いします」
「じゃあ俺達も行ってくる」
もう何も言わないよ。Uさんは嫌がらないの分かっているし。
「いってらっしゃい。ヘルパーさんに迷惑をかけないようにね」
オモチがヘルパーさんの車を運んでいった。どうせすぐに帰って来ることになるのに・・・。まぁあの子達が楽しいのなら良いか。
「ヤヌシ、今日はお昼ご飯を何にするんですか?」
「今日は丼物ですよ、先生。オモチにはご飯を炊いてもらおうかな?」
「任せて!キッチンへ行きましょう!!」
今日は簡単に他人丼にするつもりだ。鶏肉がなかったので豚肉で。味付けはめんつゆのみ!手抜き料理でごめんね。
ヘルパーさんが帰ってくるまでにほぼ完成してしまった。あとはヘルパーさんにお願いしている卵を入れるだけ。それにしてもオモチの手際が良すぎる。私は口を出すだけだね。
私達はリビングでヘルパーさんの帰りを待つことにした。
「ヘルパーさんは何を買って来て来るのかな?」
「手土産の話?」
「そう!楽しみ!!」
タワシがテーブルの上から話しかけてくる。
「何だろうね~。それにしても私はきびだんごと言った時の反応が気になるんだよね」
「そう?あたしは気にならなかったわよ」
「トウキ。あのヘルパーさんの反応は微妙なリアクションだと思う。外国の人にはお団子はダメだったかな~」
「気にしすぎよ!!大丈夫だって!ベリーは何でも喜んでくれるわ」
そうだったら嬉しいね。ベリーさんって優しそうだし。
それから少ししてヘルパーさんが帰宅しいつもの配送業者もやってきた。今日も今の所は問題なく順調だ。
ヘルパーさんが買って来てくれた卵を入れて料理を完成させた。そのままお昼ご飯に突入する。みんなの喜んで食べてくれる。本当に良かった。
ご飯を食べ終わるとヘルパーさんが話しかけてきた。
「ヤヌシさん。一通り終わったんですが何かやってほしい事はありますか?オモチさんのおかげで掃除系の仕事がなくなりまして」
「そうですね・・・。特にありません。買って来てもらった手土産の紹介も兼ねて一緒にお茶しませんか?」
「もう所長から許可は頂いてるのでヤヌシさんがそれでいいなら」
「はい。もう仕事は良いですよUさん。ありがとうございました」
「まだ私は腑に落ちないんだけどね。でもおやつの紹介はしたかったからちょうど良いわ」
「じゃあコーヒーを入れてみんなで食べましょう」
私は立ち上がりキッチンへ移動してコーヒーを入れ始めた。
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