階級《クラス》・奴隷《スレイヴ》４

しをおう

　この混沌とした世界は一見一つに纏まっているように見えるが、そうではない。

　異なる世界が重なり合い、一つに見えるだけの世界だ。証拠に各世界にはそれぞれの種族が存在している。

　天界には天使（エンジェル）、冥界には死神（デス）、海界には人魚（マーメイド）。亜人と呼ばれる他種族も意外と出入りはしているが、基本的にはそうなっている。

　地上くらいだろう、人間、亜人、天使、死神、人魚と多種多様な種族の出入りが激しく、定住している所は。

　そんな多種多様な種族がいる中、目撃する事すら稀な種族が存在する。

　その種族の名は龍族（ドラグナー）。

　そんな希少種な龍族にも名も無き預言者は現れた。

【龍の姫は男を欲する。だが、それは決して叶わぬだろう】

　人間など眼中にない龍族は面食らった事だろう。何故我々が人間の雄など欲するのか、と。

　理由が明らかになるまで、龍族は頑なに預言を否定していた――

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