第7話 城内の試練 下

「俺が囮になる。みんなはその間に攻撃を集中させてくれ!」リオは決意を固め、ドラゴンに向かって突進した。


リオがドラゴンの注意を引きつけている間に、エリス、アレン、ミリアは全力で攻撃を続けた。エリスの火の魔法がドラゴンの翼を焼き、アレンの矢がドラゴンの目を狙った。ミリアの水の魔法がドラゴンの動きを鈍らせた。


「今だ、リオ!」エリスが叫んだ。


リオはその瞬間を逃さず、ドラゴンの胸部に剣を突き立てた。ドラゴンは大きな音を立てて倒れ、静かに息を引き取った。


「やったな、みんな。」リオは汗を拭いながら微笑んだ。


「これで四つ目の試練を乗り越えたわ。でも、まだ油断は禁物よ。」エリスは周囲を見渡しながら言った。


四人は再び城内を進み、ついに魔王の玉座の間にたどり着いた。


玉座の間は広大であり、中央には黒い玉座が鎮座していた。玉座には、冷たい目をした魔王が座っていた。彼の周囲には黒い霧が立ち込め、圧倒的な威圧感を放っていた。


「ようこそ、勇敢な冒険者たちよ。私の城へ。」魔王は冷たい声で言った。


「お前が魔王か…!」リオは剣を構え、仲間たちに警戒を促した。


「その通りだ。お前たちがここまで来るとは思わなかったが、ここで終わりだ。」魔王は不敵な笑みを浮かべた。


「私たちはお前を倒すためにここに来たんだ!」エリスは魔法の杖を握りしめ、決意を込めて言った。


「ならば、試してみるがいい。」魔王は手をかざし、強力な魔法のエネルギーを放った。


リオたちは必死に応戦したが、魔王の力は圧倒的だった。彼の魔法は強力であり、四人は次第に追い詰められていった。


「リオ、どうする?」エリスは焦りながら尋ねた。


「俺たちの絆を信じるんだ。互いに助け合って戦おう!」リオは決意を固め、仲間たちに声をかけた。


四人は互いに助け合いながら、魔王と戦った。リオは剣で魔王の攻撃を防ぎ、エリスは魔法で援護した。アレンは弓を引き、ミリアは水の魔法で魔王を攻撃した。しかし、魔王の力は依然として圧倒的であり、四人は次第に疲弊していった。


「これでは勝てない…!」リオは焦りながら呟いた。


その時、突然、玉座の間の天井が崩れ落ち、光り輝く存在が現れた。それは精霊の王、エルフィンだった。エルフィンはリオたちに向かって微笑み、力強い声で言った。


「勇敢な冒険者たちよ。私の力を貸そう。」


エルフィンの言葉と共に、リオたちの体に強力な魔力が注がれた。彼らは新たな力を得て、再び魔王に立ち向かった。


「これで終わりだ、魔王!」リオは剣を振りかざし、魔王に向かって突進した。


エリスは火の魔法を、アレンは風の矢を、ミリアは水の刃を放った。四人の攻撃が一斉に魔王に向かい、彼の防御を打ち破った。


「馬鹿な…!この私が…!」魔王は驚愕の表情を浮かべ、崩れ落ちた。


「やったな、みんな。」リオは汗を拭いながら微笑んだ。


「これで魔王の脅威は去ったわ。でも、まだ油断は禁物よ。」エリスは周囲を見渡しながら言った。


四人は互いに頷き合い、玉座の間を後にした。

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