その2 オフ会への誘い
卯七はそれまでにも2回ほど凱喜のオフ会参加要請を受け入れていた。しかし、その2回目のオフ会で凱喜は俳優陣を私物化し始めていた。
「この度また、昭和特撮ヒーロー様のために、特撮ファンによるオフ会を開く運びになりました。ついては是非、
凱喜の言葉には相も変わらず偽善が漲っていた。
「狼檎さんは私たちのオフ会には欠かせない御方なので、今回に限らず、是非毎回お願い致します」
凱喜の言葉にはいちいち虫唾が走ったが、今回参加を受け入れることで次からの参加の誘いはしないという確約をさせ、このゲストを受け入れることにしたはずだが、凱喜の言葉にはその確約事項が消えていた。更に凱喜の要求は前回より更にエスカレートしていた。会議室に集まる昭和特撮ヒーローたちの前に、番組オンエア当初市販されていた各種グッズ類が並べられた。最初、気を利かせたゲスト諸氏へのプレゼントかと思ったが、次の凱喜の言葉にゲスト一同は呆気に取られた。並べられたグッズ類全てへのサインの要請、酒席では特撮ファンとの握手とファンサービスの写真撮影を要請、何より、凱喜はイベント参加ゲストに、特撮ファンひとりひとりへの自腹によるプレゼント品の要望を言葉巧みに強いていた。要請というより、昭和特撮ファンの欲望を逆撫でしたイベント参加に誘う人参の仕込みをゲスト諸氏に強いていた。そこで初めてゲスト諸氏はイベントのえげつなさに巻き込まれたことに気付いたのであるが、誰も異議を唱える者は居なかった。
卯七が凱喜の度を越した要求に激しい虫唾が走ったのは、それまでの家族関係に起因していた。卯七がどうしても納得できなかった。凱喜の主催するオフ会に一度ならず二度までも足を向けた自分に腹が立っていた。
昭和特撮番組への出演は、結婚して間もない心春の親戚縁者の子どもたちに大きな喜びを与えた。その子たちが、嬉しさで同級生たちに自慢したことで、信じてもらえず “いじめ” が始まった。窮地に追い込まれたその子の親から心春にSOSが届いた。卯七は急いでその子にグッズや手紙を送って “いじめ” の窮地を救ったこともある。ときに、自慢が嘘ではない事の証しに、わざわざ心春の甥たちの家に招かれ、“いじめ予備軍のお友達たち” を呼んで遊んでやったこともある。ただ、卯七側の身内からは一切の音沙汰はなかった。それもそのはず、卯七は兄姉や親戚の住む田舎とは一切の交流を断っていた。友人らに連絡するのも控えた。賀状や同窓会の通知も黙認し続けた。田舎暮らしで卯七は散々、身内にひどい扱いを受け、人間の身勝手さを学ばされていた。その卯七が芸能界で脚光を浴び始めたら、また寄って来るに決まっている。彼らはどの面下げても寄生に走る。
芸能活動が忙しくなってからは、田舎での黒歴史のことはすっかり忘れていたが、凱喜の身勝手な要求で卯七は思い出した。人間の本能は “自己都合で無神経になれる罪深き存在” があるということを。
凱喜は会議室で更に語り続けた。特撮ファンたちが待機して待っている複数の小部屋を、リップサービスで回るというかったるい作業を強要してきたことで卯七の我慢は限界に達した。
「素晴らしいオフ会になりそうですね。でも、すみません。今、凱喜さんが仰っている事は前以て聞いてはおりません。それに、私は凱喜さんの事務所に所属している人間ではありません。もう遠い昔の番組でもありますので、私はやはり今回の参加はご辞退させていただきます。皆さんでお楽しみください」
卯七は静かにその場を去った。その後ろ姿に、凱喜の脳裏はいきり立っていた…てめえ何様のつもりなんだ。たかが田舎出の三流俳優のくせにお高く留まりやがって!暇を持て余しているてめえをファンどもに元気を付けさせてもらおうと思ってんじゃねえか! 覚えてろよ…しかし、凱喜は所属俳優でもないゲストへの無謀に全く気付いていなかった。そうした要求が、特撮オフ会でゲストに強いることの出来る許容範囲を越えていることを。卯七にしても、他の俳優にしても、何年も前に終わった番組のファンに賞賛されたからといって、どれ程の意味があるというのだろう。確かに過去の栄光にしがみ付いている特撮俳優もいるし、仕事にあぶれ、凱喜の企みに嵌って鼻高々になる勘違い昭和特撮ヒーローも存在したが、ゲスト俳優の殆どは、今を、そして未来に向かって歩いているのだ。謝礼とただ酒に飼い慣らされ、往年の活躍時のファンからの賞賛に溺れる気の毒な連中とは一線を別けている。
しかし、一方で凱喜から受ける恩恵に依存している連中には、追従しない卯七の態度に批判的になる者もいた。そのうちの一人、特撮番組出演を機にアクションクラブを開業した “未来超戦士ワープマン” の萩原拳は、凱喜のイベントに参加することによってアクションクラブへの優先的なファンの勧誘が約束されていた。更に、民間救急会社に勤務していた “怪傑ドリーム旅団” の浅沼次郎は、特撮ゲストに声を掛けて宣伝協力者を募る場にしていた。“超術シャドースパイ” の加納学に至っては元々ホストであり、クラブ経営者でもあったため、凱喜のイベント参加は仕事にあぶれているゲスト俳優を誘う絶好の機会だった。
それだけではない。凱喜は、昭和特撮ファンが喉から手が出るほど欲しいレアグッズのプレゼントを釣り餌に、特撮ヒーローへの貢ぎ物を強要した。一般人から見れば、それはただのガラクタでしかないが、ファンにとってはお宝なのだ。凱喜が豊富に所蔵しているであろう希少グッズを、我先に手に入れようと群がった。そのために、特撮ヒーローたちへの貢ぎ物を競り合う異常さも次第にエスカレートしていった。最初はバレンタインや誕生日プレゼントの類だったが、オフ会を重ねる毎に、それが貴金属や高額な袖の下に代わり、果ては体を提供する者まで現れるなど過熱し、凱喜のイベントへの依存効果の狙いは見事に功を奏していた。
そんな中、凱喜との交流を断った卯七に対する執着はその後も続いた。ときに入れ代わり立ち代わり女性特撮ファンを送り込み、私的に誘い出そうとしたり、かつての番組ゲスト出演女優を思わせぶりに近付けたり、卯七の劇団への入団希望の特撮ファンらに会ってくれと接触を試みたり、その努力は涙ぐましいばかりに姑息だったが、卯七はその全てをスルーした。
あの手この手の策略に一向に靡かない卯七にしびれを切らした凱喜は、ついに牙を剥いた。2ちゃんねるに狼檎卯七に対する誹謗中傷の板が立った。それこそ凱喜が昭和特撮俳優失脚を企てる常套手段だった。これまでも自分の意向に靡かない俳優は、2ちゃんねるに板を立て、スキャンダルをでっち上げて叩き、徹底的に捻じ伏せる企てが全て成功してきた。今、ゲストとして参加している昭和特撮俳優の半数が、凱喜主催のオフ会の犬となって久しい。同時にそれらの常連ゲストは、2ちゃんねる失脚の苦痛を味わった俳優らだ。その中に、先頭を切って卯七に批判の音頭を取った犬公中の犬公俳優が居た。昭和特撮番組 “マッハ超獣戦士” の小村十郎だった。彼は卯七が凱喜との交流を始めた折に、凱喜の差し金でスパイとして卯七の劇団に入団していた。小村は更に桧村久満という売れない役者仲間を僕として入団させ、凱喜による卯七包囲網が構築されるかに見えた。ところが、劇団活動が始まって暫くして、劇団員による緊急会議が開かれた。小村と桧村の度重なる稽古前の飲酒が問題になった。
「稽古中、酒臭いんです。団員がみんな迷惑してるんです。狼檎さん、どうしたらいいでしょうか?」
副座長の浅見圭司が切実に相談して来た。
「稽古場は快適じゃないとね。無駄な我慢はする必要なんてないよ。明日にでも劇団で会議を開いて決を取ればいいんじゃない?」
「あの方々は狼檎さんの知り合いですよね」
「運営にマイナスになる方は誰であろうと早く削除しないと、もっとマイナスになるよ」
「いいんですか?」
「劇団を救ってください。浅見くんを信頼してます」
卯七はにっこり微笑んだ。結果、ふたりは劇団の規律違反者として退団を余儀なくされたのだ。凱喜の計算は脆くも崩れてしまった。小村をスパイに送り込んだ凱喜は、折角の思惑が外れて地団駄を踏んだ。
退団に追い込まれた小村は、一切のフォローをしなかった卯七を恨み、卯七が凱喜のオフ会に参加することを誰よりも疎ましく思うようになった。その最中の卯七のオフ会参加拒否は、絶好の卯七批判の材料になった。
凱喜は凱喜で、役立たずの小村を忌々しく思いつつ、益々卯七潰しに拘った。次の一手は特撮フェスで卯七に大失態を演じさせる青写真を描いた。凱喜の執拗な誘いが卯七を煩わせた。
「ボクは狼檎さんを信じています。今日、狼檎さんが来てくださるまで、新橋でお待ちし続けます」
腐った恋人のセリフのような再三の電話の結びだった。卯七は、あまりの
不知火はかつて “超人バウンティハンター” オンエアの途中から梃入れとして出演していた。“超人バウンティハンター” は最初の5~6話は卯七演じるブルーハンター役の奥又鬼ジェン編で視聴率を稼いでいたが、主役であるレッドハンター役の鳥羽健作の父で、大御所俳優の鳥羽克也から“主役は誰なんだ!” というクレームが入り、以後、奥又鬼ジェン編は脚本から消えた経緯がある。ストーリィ展開の芯を取り戻した健作演じる朝霧晋作編は続いた。しかし、2クール過ぎても視聴率が低迷し続けたことで、番組の梃入れとして起用されたのが当時特撮界のヒットスターだった不知火弘樹だった。忽ち、脚本は不知火演じるホワイトフェニックスの独壇場となり、二世俳優の健作は再び主役の座を奪われてしまった。不知火の登場で制作側の誰もが視聴率の巻き返しを予想したが、そうはならなかった。
卯七は“四人のサイボーグ” の活躍を謳っているオープニングテーマ曲の趣旨が、新サイボーグ登場でその軌道を外れたことに疑問を持った。寧ろ新番組“ホワイトフェニックス” として再スタートしたほうが良いのではと、自分の役が、いや、他のレギュラー陣も含めて、この番組に存在する意味はなくなったと判断した。そして、プロデューサーに “ブルーハンター”殉職という形での降板を申し出た。すると、プロデューサーから意外な返事が返って来た。
「…君もか」
プロデューサーからは力なく、既にレッドハンター役の鳥羽健作からも同じ申し出があったことを知らされた。俳優界の大御所である鳥羽健作の父から “主役は誰なんだ!” という卯七へのクレームがあった矢先だった。その一言で卯七演じるブルーハンターに焦点を当てたストーリィ展開はなくなって久しかったが、息子のレッドハンター編では視聴率は低迷する一方だったがゆえの苦肉の策の梃入れに不知火弘樹の起用に、皮肉にも息子の鳥羽健作は完全に主役の座を奪われてしまった。彼が卯七に先んじて降板を申し出たことは至極納得がいく話だった。
結局、ヒーローの殉職案は却下され、二人のレギュラー陣からの降板申し入れがあった番組は、飛ぶ鳥を落とす勢いの特撮番組常連俳優・不知火弘樹が起用にも拘らず、そのクール終わりで打ち切りになった。梃入れ要因として起用された不知火にとって、視聴率を上げて番組復活に貢献出来なかった結末に、堪えがたい屈辱を憶えたに違いなかった。不知火は“超人バウンティハンター” のレギュラー陣に嫌われたための番組打ち切りと思ったらしいが、レギュラー陣は皆、不知火の起用の如何など眼中になく、番組の趣旨のズレに自分たちの存在意義を見失った後は、消化試合的に役をこなしているに過ぎなかった。冷めたレギュラー陣の中で、ひとり不知火弘樹の演技の空回りが痛々しかった。
その後、数年が経過した京都撮影所での不知火弘樹の失態を知る昭和特撮ファンは居ない。その事が、特撮フェスでの凱喜の計画失敗に繋がるのだ。
卯七は京都での長期の時代劇撮影に入ることになった。偶然にも不知火弘樹も同じ作品に出演しており、現場もほぼ一緒だった。不知火は東京での特撮番組では現場の王様に慣れていた。しかし、京都ではそのような特別待遇は許されず、驚くかな卯七が京都入りした時には既に不知火弘樹は監督と不穏な空気に包まれていた。
「おまえ、何様のつもりなんだ!」
何度も不知火に監督の罵倒が飛んで撮影が進まない事態が続いた。不知火の主張の度に監督の逆鱗に触れ、場所を弁えずに傲慢を垂れた不知火の甘えに鉄槌が下っていたのだ。確かに、不知火はかつて特撮番組で共演した折、“一秒でも多くカメラに映る” 執念は強烈だったことを思い出す。しかし、京都の時代劇でその主義が通るかと言えば、それは監督の趣旨とは全く無関係の俳優個人の邪魔な欲にしか映らないだろう。今焦点を当てて撮りたい映像は一秒でも多く映りたい彼ではないのだ。長く特撮番組で培った一秒でも多く映るための不知火の執念は、京都時代劇の場で完全否定された。以後、撮影現場での不知火はスタッフ全員からの “いびり” の洗礼を受ける羽目になってしまった。不知火にとって、この無様を誰に見られるより、かつての共演者に現場を共にされてその醜態を見られることは、余計に恥辱の針の筵状態になったことだろう。不知火は卯七と目を合せられなくなった。
特撮フェスで久しぶりの卯七が現れた時、不知火はとっさに過去の京都撮影所での記憶が蘇り、悪寒が走った。共演を懐かしむ余裕などなかった。凱喜は二人の再会のギクシャクした雰囲気を見て、目論見成功の興奮に息を飲んだ。しかし、すぐにその目論見が的外れだったことに落胆するしかなかった。特撮番組打ち切りの原因や、京都撮影所での苦労を話すうち、卯七と不知火は微笑みながら握手を交わしていたのだ。しかし、凱喜は目論見が外れたことを認める気にはなれなかった。すぐに2ちゃんねるに、卯七が不知火に拒否されたゴシップレスを投下した。反応の鈍さに更にその後も投下し続けたが敢無く沈下し、京都撮影所での二人の顛末を知らなかったがために、凱喜の企てはまたしても失敗に終わった。
暫くすると、異色特撮番組で話題になった “百目頭巾” の
「実は私も狼檎さんの後、すぐに帰りました。お陰で2チャンネルでまたこっぴどく叩きまくられています…あの、2チャンネルの事は知っていますか?」
卯七はうんざりした。
「オレの周りでも、どこぞの銀蝿が騒いでいるようだよ」
「書き込んでいる首謀者は…」
「…でしょうね」
「開催するオフ会の常連になってくれれば、自分が解決すると言って来ましたよ」
「確実に解決できるでしょうね、叩いているのは本人なんだから」
「ですね。よく考えれば分かりそうなことでしたが、私はすっかり奴の罠に嵌ってしまって今の無様です」
生里は言い淀んだ。
「この際、思い切って全部話したらどうですか、生里さん? 私を訪ねて来たのはその為でしょ?」
「そうですね…彼は…」
「バイセクシャルですよね」
「知っていましたか…」
「言い寄られましたか?」
卯七はおどけたつもりだったが、図星だった。
「…はい…でも、自分にはそういう趣向はないので…」
「モテるね、生里さんは」
「悪い冗談はよしてくださいよ」
「すまん、すまん」
生里が卯七の顔を見ると、言葉とは裏腹のゾッとする冷酷な表情に鳥肌が立った。
「どこのどいつが、あのキチガイを図に乗せたのか…ああいうクソヲタは成るべく早く駆除しないと犠牲者が増える」
「…すみません」
「生里さんは被害者なんだから謝ることはないでしょ」
「しかし、私が毅然としていれば…」
生里は以前に凱喜の企てどおり、女性特撮ファンのハニトラに遭って弱みを握られ、オフ会の常連に甘んじるしかなくなって悩んでいたが、同時に、凱喜が色目を使っている対象でもあったのだ。つまり、彼は凱喜と小村の最初の被害者だった。それを聞いた卯七は、その後も執拗に連絡をしてくる凱喜からの誘いにもう一度乗ってみることにした。かつて生里にしたように、卯七にもハニトラを仕掛けて来るであろう加賀谷美穂という凱喜子飼いの特撮ファンに会うのが目的だった。
凱喜の止む事を知らないオフ会への誘いに、卯七は“今回だけ” という条件を再確認し納得させて参加を承諾した。オフ会後、早速恭しく凱喜が挨拶に来た。
「この度はご参加くださいまして誠にありがとうございました」
凱喜は、卯七がついに2ちゃんねる攻撃に屈服して歩み寄って来たと勝ち誇った。
「願わくば今後も是非ご参加いただきたく…」
「今回だけという約束でしょ !? それとも参加したら何か特別良いことでもあるんですか?」
「あります! 後悔はさせませんので…それに、2ちゃんねるの件、聞きました。微力ではありますが、それも私が何とかしますから」
「いや、あれは放っといてください。狂人に付き合っても仕方ないでしょ」
と、卯七は凱喜に鋭い視線を浴びせた。凱喜はすぐに話題を逸らした。
「今日は丁度、狼檎さんご出演の “超人バウンティハンター” の熱狂的なファンで狼檎さんと同郷の特撮ファンの方が来ていましてね…」
卯七の狙いどおり、美穂が近付いてきた。
「では、私はこの後、野暮用がありますので…また、詳しい事は後日ご連絡させて頂きます」
と言って、気を利かした態で去って行った。凱喜と入れ替わりに、彼女は無防備を装ってオフ会後のスケジュールを聞いて来た。
「私、この先のウィクリーホテルに滞在しているんですけど、そこの向かいにあるラウンジがすごい素敵なんです! 一人だとなんか勇気がいるので、この後、一緒に行っていただけません? いや、二人っきりはお嫌でしょうから他にも何人か…」
「私を誘ってる?…誰かに頼まれたのかな?」
卯七の強烈なカウンターパンチの一言だったが、美穂は気丈に平然を装った。
「考え過ぎですよ、狼檎さん。私は狼檎さんと同郷の大ファンなんです! でも図に乗ってしまいましたね、すみません!」
「生里くんにしたように…生里くんから嫌な話を聞いてね」
その言葉で美穂の表情は難くなった。
「もし、今悩んでいることがあるなら…これが、美穂さんらしく生きる最後のチャンスかも知れません。気が向いたら一度、劇団に遊びにおいでよ。美穂さんと同年の劇団員もいるから、きっと話が会うと思うよ。劇団に来てくれたら、その時にお話を伺います」
卯七は劇団の名刺を渡し、そのままオフ会を去った。
美穂は帰郷の日、卯七の運営する劇団を訪れた。劇団は独特の歓迎で美穂を迎えた。それは美穂に立ち稽古の体験をさせることだった。高校時代に演劇部だった美穂はその歓迎に歓び、久しぶりに舞台で活き活きとした自分を取り戻した。突然、美穂の心は凱喜に子飼いにされた悔しさに襲われ、地面に叩き付けられた。
「悔しい…」
美穂がやっと絞り出した言葉を待っていたかのように、卯七はこれから自分がやろうとしている意思を伝えた。
「私はこのまま、あのクソ野郎を放っとくつもりはないよ」
美穂は思わず卯七を見上げた。卯七は美穂の気持ちを質した。
「…美穂さんは? 美穂さんはどうしたい?」
鬱屈していた美穂の気持ちが解放された。
「…殺してやりたい…殺してやりたい!…殺してやりたい !!!」
美穂は泣き崩れた。
「美穂さん…人はね、殺す以上に苦痛を与えることも出来るんだよ」
美穂は帰る時間が迫っていたが、卯七に全てを打ち明けることにした。劇団員たちは気を利かせて去ろうとしたが、卯七は止めた。
「美穂さん。みんな味方だから」
頷いた美穂は話を続けた。特撮ファンの集いで凱喜と知り合った美穂は、特撮俳優を招いて楽しく過ごすオフ会の夢を語って目を輝かせている凱喜に魅かれ、すぐに深い仲になった。しかし、美穂の期待は次々に裏切られ、不本意ながら特撮俳優を取り込む常套手段に利用され、後戻りの出来ない事態に追い込まれていった。美穂はこの数年、凱喜主催のオフ会のたびに、ハニトラで何人もの特撮俳優に弱みを握らせる役割を強いられていたが、エスカレートする凱喜の要求に恐怖すら覚え、思い切って、もうこれ以上の協力は無理であることを申し出た。意外にも、凱喜は快く彼女の言い分を了承した。しかしその途端、2ちゃんねるに彼女を誹謗中傷する板が立った。複数の特撮俳優たちとの関係や、当人にしか知り得ない凱喜との蜜月で打ち明けた秘密を事細かに暴露されていた。彼女はそのショックで精神を病み、神経内科通いと引き籠りの生活を余儀なくされていることまで暴露された。このオフ会に来たのも凱喜に脅されての事だった。人前に出る恐怖を推して秋田の田舎から出て来ていたのだ。思い余った美穂は、同郷の卯七の言葉に最後の望みを懸けて劇団を訪問する決意をし、凱喜の計略でハニトラに手を染めるしかなくなって悩んでいることを打ち明けたのだ。
「話してくれてありがとう…苦しかったね」
張りつめていた美穂は卯七の一言で救われ、脱力感に襲われ、後悔の涙が止まらなくなった。
「騙すやつも騙されるやつも、元を質せばそれを仕掛けたやつが本丸なんだよ。なら、本丸への復讐しかないでしょ」
美穂にとって卯七の答はストレート過ぎて意外だった。本丸への復讐心は美穂にもあったが、それは絶対に不可能なことだと諦めていた。あの用意周到な凱喜に歯向かえる裁量など自分にはない。それが、卯七からは簡単に復讐の言葉が出て来た。
「ボクはね、降り掛かる火の粉は必ず祓うよ。我慢はしない。我慢をすればするほど火の粉の勢いは激しくなるだけだ。それが誰の仕業であろうと関係ない。家族にだって例外はないんだ」
「ご家族にも !?」
「人にとって、妻子・親・兄弟・親戚が一番危ない。彼らは何の迷いもなく身内の心には土足で踏み込んで来る。ボクはね、この世で一番礼節を重んじなければならないのは、赤の他人より身内や親しい間柄の存在だと思っているんだ」
「…そうなんですか !?」
恵まれた環境で育ったはずの特撮ヒーローの背景に、思ってもみなかった厳しい現実が浮かんだ。
卯七はマタギの風習続く秋田県北部に位置する山深い鬼の子村で育った。母・鶴江は鬼の子村の郷士・松橋家の跡継ぎ長女だったが、夫運に恵まれず、卯七の父・
鶴江は新天地である鹿角市に根を下ろし、土地の信頼も得て何不自由ない幸せな日々が続き、卯子松との間に三人の子を授かった。しかし、幸せになればなるほど実家に残して来たふたりの娘への罪の意識に苛まれていった。そんなある日、風の便りで父・邦貞の他界を知った鶴江は、卯子松の勧めもあって、墓参りの機会を作って娘たちを迎えに行くことになった。
しかし、実家では厳しい現実が待っていた。娘たちはすっかりソメに取り込まれて、実母の鶴江に捨てられたという剥き出しの敵意すら懐くようになっていた。鹿角に一緒に帰ろうと言っても頑なに同行を拒む娘たちを置いて鹿角には帰るに帰れず、仕方なくふたりの娘たちのいる田舎に留まる決意をした。しかし、ソメはそんな鶴江たちが家に入ることを拒否し続けたため、鹿角時代とは魔反対の細々とした一からの貧しい田舎暮らしが始まった。親戚の計らいで得た土地に卯子松は家を建て、絶望の鶴江を励まし、すぐに頭角を現した。一年もすると、腕のいい卯子松には数人の弟子が付いた。鶴江も立ち直って食堂を開業した。そんな最中に生まれたのが卯七である。店は繁盛し、卯七と年の離れた兄姉たちは次々に成人していった。娘の寅代は地元のバスの車掌に、一已に続いて申二も地元で人気の就職先である営林署の職員となり、
一方、実家は邦貞の死後に見る見る衰退し、ソメは体調を壊して卯子松に扶養を求めて来たが、鶴江が受け入れるわけもなく、結局、隣町にある養老院に入ることになった。すると、母を拒絶し続けた娘たちも鶴江を頼ることなく行方すら告げずに鬼の子村から姿を消した。鶴江は前夫らの娘、卯禰、
卯七が何の苦労も感じず、大工の父に憧れて伸び伸び育った期間はあっという間に過ぎた。寅代が遠方に嫁いだ頃、内陸線敷設で狼檎家の土地が移転を迫られる事態になった。そんな矢先、卯子松が他界し、卯七の前からあこがれの父が消えた。卯七が11歳の初夏だった。内陸線の敷設と卯子松の他界によって、選択肢は地元に代替地を探すか、新天地に移転するかの二択だった。鶴江は必死に卯禰と政子の行方を捜していたが、政子の突然の便りで二人が内陸線の終点となる鷹巣という町に住んでいることが分かった。鶴江に迷いはなかった。狼檎家一家4人は、鶴江の意志を優先し、娘ふたりを追って鷹巣に移転することになった。
卯七は移転先で、引っ越し荷物の中に父の大工道具を探したが、卯七が欲しかった何もかもが全て処分されていた。生前の父は大工道具一式を屋根裏部屋に整理整頓して保管していた。卯七はそこに忍んでは手入れの行き届いた刃物たちが薄闇で不気味に光る様を眺め続けるのが大好きだった。その宝が全て消えてしまった。
母が新天地に選んだ鷹巣での生活は、鬼の子村のような依怙贔屓のない小学最終学年と中学時代の三年間を最後に、片親の卯七には厳しい現実の風が吹き始めた。卯七は就職するつもりだったが、母は高校だけは出てくれとせがんだ。長男も次男も鬼の子村の定時制高校に通っていたが中退に終わっていた。三男の卯七にだけでも卒業させたかったのだろう。卯七は地元の高校にトップで入ったものの、またしても片親の理不尽が付いて回った。高校に募集が来た郵便局や役所、電電公社や銀行のアルバイト応募で毎回蹴られ続けた。そんな卯七にも、生徒会長に押し上げられたり、卒業を迎える頃にチャンスがやって来た。化学教師の推薦で理科系大学に進む道が開かれた…のも束の間だった。宮城県に住む姉・寅代からの誘いに母は靡き、大学進学は泡と消え、またしても親の事情による移転となった。
卯七は進学を諦めたまでも、新天地での就職活動も片親が壁になって蹴られ続けた。今なら人権侵害、身分差別となろうが、当時は “片親” であることが経済的に保証のない身の程知らずの立場だった。辛うじて寅代に紹介された看板屋に就職し、母親の扶養を義務付けられた。姉がわざわざ自分の嫁ぎ先に母親を呼んだのは、自分が母親の面倒を見るためとばかり思っていたが、姉も母親譲りの虫のいい血を引いているんだなと薄ら嗤いするしかなかった。
看板屋の仕事は、父の大工作業を見て育った卯七には何の抵抗もない仕事であり、元来の手先の器用さが追い風になった。しかし、技術をいくら習得しても、そこにいる前任の兄弟子を越える作業に付けない壁が付いて回った。兄弟子と親方は住まいが隣同士。幼い頃から知ったよしみで就職するのと、いわば余所者の卯七とでは扱いが同等になる筈もなく、経営する親方の気持ちは充分に理解出来た。そこに分け入るつもりは卯七には毛頭なかった。それとは別に、自分の一生を母親の人生に流されたまま過ごす事への疑問が膨らんでいた卯七は、仕事から帰るとすぐに、好きな曲をイヤホンで聞きながら不貞寝するようになっていた。そうした卯七の姿を、母親がどんな気持ちで見ていたかなど知った事じゃなくなっていた。
あの日、いつも聞きなれた歌詞の冒頭が胸を突いた…空が哭いている 煤け汚されて ひとはやさしさを どこに捨てて来たの…ビルの谷間の 川は流れない 人の波だけが 黒く流れていく…そうよこのまちを 逃げていきたかった…“逃げていきたかった”…“逃げて”…そして卯七は、黒く流れていく母の元から一先ず逃げていく決意をした。このままでは生まれて来た事が無駄になってしまう。自分が駄目になる。黒く流れる柵に翻弄されるのはこれまでと思い、その波から逃げることを選択した。想像どおり反対する母、それ以上に猛反対する姉の元を離れて、本来進みたかった舞台美術の会社への就職を夢見て上京した。しかし、何の伝もないそこにも根強い学歴と片親の壁が立ちはだかった。
就職にあぶれた卯七は、何とか小さな演劇グループの舞台の裏方のアルバイトに就いたが、そこで俳優の卵たちと親しくなり、彼らに誘われるまま表舞台に立たされる羽目になった。そこには大部屋俳優やら、売れない俳優やら、会社役員などが混在していた。
そんな折、強引に卯七の後を追って母が上京して来た。いきなりの母の上京で、卯七はなけなしの貯金をはたいてアパートを借りるしかなかった。深夜、家の前に到着した引っ越し荷物は4トン車満杯だった。アパートの狭いスペースに入り切るわけがない。入らない荷物は暫く外に置いたままになった。翌日から、泣きながら渋る母を説得しながら少しづつ処分し続けた。その後まもなく姉・寅代(ともよ)は、母と卯七のもとで優雅な都会生活を期待し、夫と離縁して幼い息子・学人と転がり込んで来たが、すぐに生活苦に追い詰められた。寅代は幼い学人を母に預け、勤め出したクラブの経営者と愛人同然の生活を送り始めるようになったが、関係破綻と共にさっさと離縁したはずの夫のもとに帰って行った。思い返せば、母の強引な上京は、身勝手な寅代の差し金にも思えたが、今更この状況を変えられるわけもなく、卯七は現状に苦虫を噛むしかなかった。
姉が夫の元に帰った後、ジリ貧でアパートに住めなくなり、更に狭い三畳の部屋を見付けて住むことになった。案の定、荷物が入らないことで、また家財道具を処分しなければならなくなったあの日…あのにがい経験を再度味わうことになった。また処分しなければならない家財道具に泣き渋る母を説得しながら、卯七は “こっちが泣きたい” と怒鳴るのを懸命に堪えていた。もし自分が親の立場だったら、我が子にこんな思いは絶対にさせたくない。自分の身内は何故ここまで身勝手な振る舞いが出来るのか、考えれば考えるほど腹が立って仕方がなかった。
ひょんなことから俳優上がりのマネージャーの誘いで芸能事務所に入り、俳優の道をたどたどながら歩き始めることになった。そこには学歴の壁はなく、実力主義の世界が広がり、卯七にとって上京後初めて居心地の良い場所に思えた。そんなある日、入所した芸能事務所からの専属契約の提案があった。しかし、到底母親を扶養できる額ではなかったことで辞退せざるを得なかった。芸能事務所からの給与の提案は、その事務所で俳優としての道が開けたことを意味する。それを辞退したという事は、自らの未来を遠ざけたことに他ならない。そして断った代償は大きかった。数ヶ月に一度来るか来ないかのドラマ出演依頼のたびに、卯七はアルバイト先を休まなければならなかった。そして、その都度首になった。今と違って日雇いに休みの自由はなかった。それでも卯七はアルバイトを繋いで必死に母を扶養する生活費を稼ぎ、舞台美術の仕事に就けるよう模索し続けた。
生活苦の泥濘で藻掻く卯七だったが、この世にあるどうしても越えられない理不尽の壁に未来を遮られる日々についに生きる事への限界を憶えた。時同じ頃、皮肉にも、芸能事務所から長期の地方公演の話が舞い込んで来た。今更…と思ったが卯七は飛び付いた。そこを死に場所にしようと決心して地方巡業に旅立った。人生は皮肉である。巡業中に母の居る東京に戻るしかない事情が出来てしまった。旅公演の共演者と恋に堕ちてしまったのだ。彼女の名は心春。今の妻である。
旅公演から帰って、すぐに卯七は心春と結婚した。生活の不安など考えなかった。ただ一緒に居たかった。負け犬にならずに生きる理由が欲しかった。母とのやっとの別居とは言え、扶養の責任からは逃れられるはずもなく、新居から定期的に母の世話に通う生活が続いた。再び鳴かず飛ばずの似非俳優生活を過ごしていると、芸能事務所に新人マネージャー・
あっという間の一年間の芸能喪が明け、城貫太郎の新事務所で映画のオーディション通いが始まった。そして何度目かのオーディションである大東制作社の野球映画の主役をゲットした。しかし、主役は決まっていたはずだ。それがどうして卯七に回って来たかと言えば、主役のキャスティングに監督が納得していなかったからだ。その監督は日本映画界で何人ものスターを産んで来た重鎮・観世一我監督だった。しかし、ときのスーパースター選手の育ての大御所コーチからプロらしくないという無理強いのNOが出て端役に変えられた。その裏には、当初決まっていた主役の親が動いたからだ。大東制作社への破格の寄付が全てを変えた。芸能界の理不尽は健在であるが、卯七にはどうでもよかった。皮肉にもその大東制作社の競合・宝光映画社のオーディションで再び三人の主役の一人に抜擢された。しかし、競合会社の同じ野球映画に出演しているということで、またそこでもNOが出た。卯七以上に理不尽の壁に怒ったマネージャーに火が点いたのか、城貫太郎が興奮気味に卯七のもとに飛んで来た。新人タレントたちの登竜門と言われている特撮ヒーロー番組のレギュラーをゲットして来たという。しかし、卯七にとってはそれすら何の意味もなかった。本来、進みたい道ではなかったからだ。しかし、特撮ヒーロー番組と言えば、子どもたちに大人気の番組である。卯七は幼い頃から親戚や近隣の子どもたちの面倒を見させられていた。自然と子どもたちには慕われて育った。上京しても、電車に乗っては隣で抱っこされている赤子に衣服を引っ張られるようなチョッカイを出されるのは日常茶飯事。捻挫で病院の待合室に座っていると、小さな女の子がちょこちょこ寄って来て本棚の絵本を差し出して “これ読んで” とせがみ、読んでいる途中にまじまじと卯七の顔を覘いて“お父さん !?”と聞いて来る。傍にいた母親が慌てて “ごめんなさい!!” と言ってきたり、喫茶店の隣席に座った母子連れの赤ちゃんがあまりにもジーっと卯七を見詰めるので、仕方なく話しかけると “にっこり” 笑うまではよくある事だが、声を出してコロコロ笑うと、そのお母さんが目を潤ませて “この子、初めて笑いました” と感動する姿に、“いっぱい話し掛けてくださいね” と体裁を取り繕うしかなかったり…子ども番組は案外、自分に向いているかもしれないが、また途中で業界名物の理不尽なNOが出るだろうと気怠く自己納得する卯七だった。
その後、卯七の芸能生活が順風満帆になった頃、突然、母の死はやって来た。卯七の母は死の床で “卯七かい…卯七だば善ちゃでねえ” と言い残してこの世を去った。なぜ “卯七だば善ちゃでねえ” のか…それは卯七が自分の思いどおりにならなくなり、手の届かない所で生きていたからだろう。悲しみの感情は一切湧かなかった。母には何度、人生の出鼻を挫かれたことか…行く手を邪魔する存在がやっと居なくなって肩の荷が下りた解放感のほうが卯七には大きかった。
卯七は母の死をきっかけに、子を儲けることにした。母に孫の顔を見せたくなかったのは、これまで常に母の事情に巻き込まれた人生に対する卯七のせめてもの母への抵抗だった。最初の子を設けたのは結婚6年目だった。5年間扶養し続けた母への抵抗だった。そして、卯七は一姫二太郎を授かった。
卯七の子育てが始まった。この子たちには親のエゴは押し付けない。自由に羽ばたかせ、子別れすることが自分の理想とする親の証明だと心に誓った。長年に渡って陰に徹して支えてくれた心春に甘えてばかりはいられないと、知人の紹介を得て、当時効率の良かったホテル司会業を始めた。人混みを極端に苦手とする卯七にとって、披露宴会場は最も苦痛を強いられる修行の場だった。それに、披露宴の司会業を甘く見ていた。卯七には、古来からの歴史が詰まった冠婚葬祭の知識などゼロだった。新郎の持つ “白扇” の名前の意味すら知らなかった。知らないことばかりで、卯七は自分のバカさ加減に呆れるばかりだった。それから必死になって冠婚葬祭に纏わる古来からの歴史を紐解くことになった。知識が深まるに連れて仕事の依頼も増えていった。表に出て表現する俳優の仕事とは全く逆の、己を消して新郎新婦をはじめ出席者全員を立てる仕事だ。司会業を続けるうち、卯七にとって意外にも居心地の良い場所となっっていった。そこには卯七が最も進みたかった舞台美術の裏方の如き快感があった。司会の再オーダーでその一家の兄弟姉妹全員の司会を務めたこともあった。そればかりか、司会者が敬遠する難しい法事のオーダーも増えていった。ふと振り返る頃、子どもたちは既に大学卒業間近になっていた。
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