私を知った理由

 遥はガチガチに緊張していたようだけど、私の家に入って私の作業部屋なんかを見る頃にはそんなそぶりはなくなった。パソコンに入っているアプリに感激していたり、私の私物を物色してはよくわからない歓喜の声?をあげていた。


「なんだか、嬉しいです」

「ん?」

「先輩やあの有名な人を作り上げた空間が見れて」

「あれ?作曲者名って教えたっけ?」

「いいえ?」

「じゃあどこで?」

「調べました。逢花先輩の作った曲によく似た曲を作る人を見つけて。その方のSNSから雰囲気写してる写真を見つけて、あぁ先輩なんだって」

「そうか、あれを見たのか」

 数ヶ月前、たしかに自撮りを載せた。もちろんぼかして。

後から恥ずかしくなって3日くらいで消した。まさか見られていたなんてな。

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