病弱聖女は本で魔物について調べる
夜にエルリカが夕食を持ってきてくれる
「調子はどうですか?」
「体調は大丈夫、朝以降何も無い」
「それなら良いですが……」
「まぁでもちょっと焦らないとならないかな」
「無理はなさらずに」
「気をつける」
……遠征じゃ無理……自分で行くしかない
レオナルドさんの話では遠征では戦わない可能性が高い、遠征では単独行動は難しい
そして時間がかかる
時間を考えるなら狙いを決めて最速で向かって仕留めて回収して戻る
……やるなら魔物が何処に生息するか知らないと
「図書館って今も空いてる?」
「空いてますが何か探し物が?」
「魔物について知りたくて」
「図書館になら沢山あると思います」
「沢山かぁ」
……時間は掛かるけど仕方がない
本を読むのはどうしても時間が掛かる
それはどうしようも無い、必要な情報を得る為なら許容しないとならない
「行きますか?」
「行く」
「では案内致します」
エルリカの案内で図書館へ行く
図書館は城の中にもあり色々な本が置かれている
その中には私が読んでいた聖女の本もある
……凄い一杯ある。これは読んだ事無いかも……って違う。今探してるのは魔物の本
「魔物に関する本はこの辺の物がそうですね」
1冊本を取り出して見せてくれる
そこには魔物図鑑初級と書かれた本であった
図鑑と言うのなら魔物の情報が書いてあるのだろう
本を手に取りページを開き内容を見てみる
魔物の姿の絵と名前、そして弱点、生息地、危険度などかなり細かく記されている
……細かい。助かる
危険度が書いてあるので危険度の高い魔物を探す
強さ=危険度かは分からないがある程度絞れるだろう
近くにある椅子に座って内容を見る
「どのような魔物をお探しですか? 手分けして探しましょう」
「ゴーレムやサンドワームよりも高濃度の魔素を持つ魔物……まぁ強い魔物かな」
「わかりました」
手分けして魔物の情報を探す
一先ずゴーレムやサンドワームの危険度を調べる為に探す
するとゴーレムを見つける、絵からしてあの魔物で間違いない
危険度B、軍隊で挑む相手
攻撃は遅いが巨体故に範囲が広く攻撃が危険、まともに喰らえば命の保証は無い。並の攻撃を通さない頑丈さを持ちタフでもある
危険度Bは危険度Aクラスよりは劣るが脅威に違いは無い
「危険度B、なら危険度B以上、いやA以上の魔物かな」
「魔物の危険度はAまでですよ」
「そうなの?」
「はい、正確に言えば未知数と言うAの上もありますがこれは例外中の例外で基本的にAが最大です」
「成程」
……未知数は例外中の例外……特殊な魔物だろうから危険度Aで探そう
危険度Aの魔物を探すがこの本にはB以下までしか乗っていなかった
ペラペラと読み終えて次の本に交換する
隣にあった魔物図鑑中級
椅子に座ってページを開いて読み始める
……C、B、B、C、D……Aが居ないなぁ
確認するがAの魔物が見つからない
サンドワームのページがありゴーレムと同じ危険度Bと書いてあった
爆発魔法を操る魔物、地面に潜り対象に襲いかかる
外殻が硬く隙間を狙っても大きなダメージにはなりづらい
……爆発魔法、あの爆発音はやっぱり魔法なんだ。って危険度Aの魔物探してるんだよ、なんで呑気にサンドワームの説明読んでるの私は
「見つからない」
「1体だけ見つけました」
「どんな魔物?」
本のページを開いたまま見せてくれる
アンティリギアと言う魔物が書かれていた
姿は蜥蜴が巨大になり凶悪になったような姿をしている
危険度Aの魔物
東の森深くに生息する魔物で凶暴だが殆ど人の前に現れない。一定範囲を縄張りとしているのかその範囲からは基本出ない
大地を操る魔法を使え討伐には相当の戦力が必要となる
縄張りから出ない為、他の魔物に比べたら危険性は低い……討伐は推奨しない
……相当強いみたいだね
討伐は推奨しないというのは危険度Bの魔物には書いてなかった
それをそのまま受け取るならBの比では無いほどの危険性を持つと言う事だろう
……他の魔物を調べるかな。ただこの魔物の討伐を視野に入れておこう
この魔物は東の森の奥に生息していると書いてあった
ならかなり近い
あの森自体広いが急げばそれほど時間は掛からないだろう
アンティリギアという名前を覚える
それからも読み何体か危険度Aを見つけるが全員生息場所がこの国から遠い
討伐するには遠出が必要になる、往復だけでもかなりの時間が掛かる
討伐を考えたら現実的じゃない
その上全員討伐は推奨しないと書いてあった
「もうだいぶ夜遅くになりました。お休みになられた方が良いかと」
「えっそんなに読んでた? ならもう終わりにするよ」
「では本を仕舞ってきます」
エルリカが本を片付ける
……明日以降も調べて戦いやすそうな魔物をピックアップするかな
見ていて分かったのは全員姿形が全然違い戦い方も使う魔法も違う
私の使う魔法は聖女の魔法、ならこれらの魔法で戦いやすい魔物を選んだ方が安定し易い
聖女の魔法が元々魔物に強い魔法とは言え相性の悪い魔物は居るだろう
「では行きましょう」
「うん」
本を仕舞い終えたエルリカと一緒に自室に戻る
するとレオナルドさんと遭遇する
丁度戻ってきたタイミングのようだ
「アナスタシア? こんな夜中にどうした?」
「魔物について知りたくて図書館で本を読んでました」
「あぁ、魔物についてか。確かに色んな魔物が居るから調べるのは大事だな」
図書館で今日調べた範囲でも多くの魔物が居た
これからも戦闘に参加するなら少しは知っておくべきだと思っている
最も今は最優先で調べている魔物達が居るが
「特徴を知れば遭遇した時に戦いやすいので、飛行する魔物は最初動揺して対応に遅れましたし」
「成程な。襲撃も有ったし良い心構えだな」
「レオナルドさんは?」
「騎士団長の会議の出ていた。戦力を大きく失ったからな。暫くは防衛に力を注ぐって話になった」
「成程」
「他にも新しい兵士や騎士を募集する為の面接官を騎士団長も担当するだったり忙しくなりそうだ」
新戦力を得る為に今回、募集を始めたようだ
新人では余り力にならないと考えられるが今は数が欲しい
それだけ多くの人が亡くなった
それに時間を掛けて経験を詰めれば一般人上がりの彼らでもベテランになる
「成程、私は暫く城付近から出ないので大丈夫ですよ」
「……分かった。本当に最近護衛の仕事が出来てないな。付けた方が良いと言ったくせに済まないな」
「いえ、今は欠けた戦力を補う事、防衛に力を注ぐ事に優先するべきです」
私からすると護衛としてつく時間が減った方が助かる
症状が悪化している事がバレたら不味いのと今やろうとしている事はほぼ止められると思っている
「そうか……エルリカ任せたぞ」
「お任せ下さい。この命に変えても必ずやお守り致します」
最近アルトも忙しく動き回っているようだ
護衛の仕事を疎かにしていると言ったらそう言えてしまうが今は状況が状況、仕方がない
最近私は余り遠くには行かない為、危険性も低いし私自身戦える
魔物相手でも人相手でも
話を終えて自室に戻りベットに寝転がる
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