第82話新たな試練

儀式が成功し、次元崩壊の危機を回避したアレンたちは、一息つく間もなく次の課題に直面することになった。遺跡の深部からの帰路で、予期せぬ異変が発生した。


「みんな、聞いて!」エリオットが警戒の声を上げた。「周囲に異常な魔法の波動を感知しました!」


「これから何が起こるか分からないわ。」アリスが言った。「気を付けて、すぐに退避する準備をしましょう。」


突然、遺跡の壁がひび割れ始め、深い音が響き渡った。アレンたちは、遺跡全体が崩壊し始めたことに気づいた。これまでの儀式が何らかの形で遺跡の魔法のバランスに影響を与えたようだった。


「このままでは遺跡が完全に崩れてしまう!」アレンが叫んだ。「急いで脱出する必要があります。」


アレンたちは急いで遺跡の出口に向かって進んだが、崩壊が進む中で道が次々と封鎖されていった。落石や崩れた壁に阻まれながらも、彼らは持てる力を振り絞って進み続けた。


「道が塞がれている!」リーナが叫んだ。「迂回路を探さないと!」


「落ち着いて、周囲を見渡そう。」アリスが冷静に指示を出した。「きっと安全に脱出できるルートがあるはずです。」


エルナが周囲の魔法の反応を感知し、崩壊し始めた遺跡内での安全なルートを探し始めた。彼女は古代の魔法の力を使い、壁や道がどこに崩れているかを把握し、最も安全な経路を見つけ出した。


「このルートを使って!」エルナが指示し、アレンたちはその経路を進むことに決めた。崩れた遺跡の中を進む中で、彼らは様々な障害を乗り越えながら、少しずつ出口に近づいていった。


「あと少しで出口だ!」アレンが励ましながら言った。「全力で進もう!」


ついに、遺跡の出口が視界に入った。崩壊が進む中でも、アレンたちは無事に外に出ることができた。外に出ると、遺跡が完全に崩れ去り、彼らが立っている場所には瓦礫の山が広がっていた。


「無事に脱出できた…」アリスがほっとした表情で言った。「でも、遺跡が完全に崩れてしまったわ。」


「私たちが受けた影響が、遺跡の魔法バランスに波及したのかもしれません。」エリオットが推測した。「でも、儀式の目的は達成できたわけだし、次に進む準備を整えよう。」


「そうだね。」アレンが頷いた。「今後のことを考え、次のステップに向けて準備を進めましょう。」


アレンたちは遺跡の崩壊を乗り越えた後、再び立ち上がり、次なる目的に向けた計画を立て始めた。次元崩壊の危機を回避した後も、新たな試練が待ち受けていることを知りながら、彼らはさらなる冒険に向けての準備を整え、希望を胸に進んでいった。

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