第5話 虚実世界の国家「日元」

「ああぁもう!アタシたちは学生だってのに、事件が多すぎるのよ!」

「どうしようもないっスよ、あっし達以外に今動ける人たちはいないんですから。」

 絶体絶命の危機に現れた、5人の少年少女。彼らは一体何者なのか!?




 突如として現れた5人組は、男の腕を凍らせた後すぐに両脇に腕を入れて動きを塞ぎ、あっという間に拘束してのけた。

 その場にいた小泉と中山が手早く手錠をつけて身動きを封じ、警察官の権限で現行犯逮捕。

 しばらくして現れた別の警官に犯人の護送を依頼し、事態は一気に落ち着きを見せた。浩多郎と遊里は目の前にいきなり現れた5人組が誰かも分からず、突っ立って眺めるしかない。

 5人組と小泉は、何やら話し込んでいたようだ。話し終わったときにはすでに太陽は沈んでいた。

 話が終わり、5人組がそれぞれの帰路につこうとしていたその時に、水色の髪の毛をした長身の男が浩多郎のもとに近づいてきた。

 浩多郎は一瞬身構えたが、長身の男は「ぼくは怪しいものじゃァない。」といい、警戒を解くようにお願いした。

 そして浩多郎の左耳に近づくと、彼に向かってこうささやいた。


「男に向かって金的を仕掛けたのは見事だった。だが敵を見誤るな。もし僕たちが駆けつけるのがあと1秒遅れたら君は丸焼けになっていたぞ。」


 浩多郎の額に冷や汗が走る。


「僕の名前は高月たかつき 勇気ゆうき、特殊能力部隊所属の隊員の1人だ。」


「覚えておいてくれ。君の覚悟は素晴らしいが、無謀になりすぎるな。」


 そう言って、勇気という男は手を振りながら浩多郎に背を向けて去っていった。

 浩多郎はその光景を眺めているばかりだった。正気を取り戻すのは遊里が彼の肩を叩いたときである。


「おーい、柚葉さんが呼んでるぞー?」


 彼は遊里に手を引っ張られて中山、小泉、羽生の3人が待っている方へと走った。

 小泉は相当心配していたようで、特に浩多郎の無謀と言える行動には喝を入れた。羽生は小泉が怒りすぎないように宥めてフォローを入れる。

 中山はやや申し訳なさそうな顔をしているが、小泉はそこに関しては不問にしているようだ。

 小泉にお灸を据えられた浩多郎はしょげているが、遊里は彼が馬鹿だと思うと同時にここまで突拍子もない行動ができることに驚いていた。

 彼女は何もできなかったがゆえに、なにもしていなかった。だから小泉たちにも怒られてはいなかったので、彼の頭髪について見る余裕があった。

 その時彼女は小泉の髪の毛の色が黒や茶髪ではなく、かつ金色でもないことに気づいた。小泉の髪の毛の色は紫色だったのである。

 そういえば、自分たちを襲撃した男も髪の毛の色は黒ではなく赤色だった。羽生は黒髪だし中山は茶髪。浩多郎も黒髪であり遊里自身も黒髪だ。

 いつの間にか遊里たちは歩き出し、研究所の中に戻ろうとしていた。

 遊里は、頭の中に浮かんだ一つの疑問を小泉にぶつけようと考えた。たとえそれが禁忌であったとしても、今のうちにぶつけておかなければこの世界で生きるにあたって不都合が生じるかもしれない。

 だが、それを言うべきなのは今なのか。彼女は頭の中で早く言うべきだという自分を押さえつけてそれを否定した。少なくとも先ほど起こった出来事に関しては明日以降に説明があるはずだと彼女は考えたからだ。




 研究所の中に入り、会議室のような部屋に戻ると浩多郎と遊里は席に座らされて「ここで待ってくださいね」と羽生に言われた。2人以外のうち小泉は勤務を終えて帰宅し、中山と羽生は大急ぎで晩御飯を作りに向かったようだ。なにやら会議室の奥から香ばしいにおいがする。

 さらに彼らのほかに複数人、浩多郎たちの知らない人物(おそらく研究所の職員)が研究所内を行き来しており、会議室にポツンとたたずむ2人のことなど気にも留めずに会議室の奥に向かっていく。浩多郎たちは少し怖いと思ったが、羽生達が帰ってくるのをおとなしく待っていた。

 会議室に置いてある時計が19時を示したころ。調理を終えた羽生達が料理を抱えて戻ってきた。皿には炒飯が大量に盛られていた。ついでにお湯を沸かすポットのようなものを中山が持ってきていた。彼女の後ろにも複数の職員がおり、お椀のようなものを大量に抱えていた。

 会議室に全員が入ると、人数は10人近くになっていた。

 中山が浩多郎達を手招きし、皿に載った炒飯をよそう様に促してくる。2人は中山の近くに行き大量に作られた炒飯を用意された皿に載せる。ついでにスープのようなみそ汁のような汁物もよそうように言われ、彼らは順番に食事の準備をした。

 10人近い職員の分もすべてよそい終わり、全員着席し食事が始まった。遊里の隣には中山が座り、浩多郎の隣には羽生が座る。

 羽生は夢中になって炒飯を掻き込む浩多郎の横でのんびりと食事をしている。彼の眼は夢中になってご飯を食べる子供を見守る父親のようだ。

 羽生は浩多郎たちが最初に見ていた時にはあまり筋肉がないように見えたが、彼が間近で羽生の腕を見ると思ったよりも太い。警察官という職業である以上鍛えてはいるようだ。浩多郎は(自分はここまで腕が太くないし、力もないからなあ)と自分の非力を恥じつつ目の前にある飯を体内に取り込むべく食事に集中する。

 こうして会議室にいる全員が食事に夢中になっている最中に、浩多郎の真正面にいた壮年の男が羽生に向かって喋りかけた。


「羽生、そういえば君が昨日言っていた『保護した少年少女』というのは彼らかい?」


 羽生は頷いた。


「はい。その通りです。数日前に近所の公園にある椅子で座っていたところを発見しました。」


 羽生は彼の顔をまっすぐに見つめた。


。彼らのことが気になるのですか?」


「当然だろう。なにせからやってきたと所内でももっぱらの噂だぞ。」


 羽生が「太田所長おおたしょちょう」と呼んだ壮年の男は、羽生に向かってニヤリと笑いながらそう言った。


「俺は一応ここの責任者だからな。そのくらいは把握しておかなきゃいかんし、何より保護者が不明の未成年を長期間ここで預かるのも問題だ。彼らにも話を聞く必要がある。」


「何より、少年たちがこの世界の常識を把握しなければこの国じゃ生きていけない。」


 太田所長もとい「所長」は、浩多郎のほうを向いた。


「食事中、失礼するよ。初めまして、だな。」


 所長に呼びかけられた浩多郎は、すでに食べ終わっていた皿から彼に視線を移した。


「そうですね。」


「自己紹介をしよう。俺は、このの責任者、太田おおた 吉彦よしひこという。一応『研究所所長』という役職をもらっている。」


 所長は浩多郎の目をまっすぐに見つめながら、首にかかっている所長自身の名札を持ち上げた。そこには、現在の彼とは比べ物にならないほど若い本人の顔写真が収まっていた。おそらく研究所の中でかなり長く働いているのだろう。


「君たちのことは小泉たちから聞いている。折角だからこの世界、というよりはこの国に関する簡単な説明をしておこう。」


 所長はコホンと咳払いをした。


「この国の名前は、日元ひもと国。太陽が昇る元になる国という意味だ。君たちの住んでいたであろう『日本』とはだいたい同じ位置にあたる島国だよ。」


 いつの間にか遊里も食事を終えており、中山と一緒に所長の説明を聞き始めた。


「他にも沢山の国があるが、それは学校に行き始めてから授業を受けるうちに理解できるだろう。今は『日元』のことだけ理解すればいい。」


 もう一度所長は咳払いをした。


「この国は、君たちが住んでいた日本と生活習慣や通貨の単位などはほとんど変わらない。暮らしていくうちに慣れると思うからそこは安心してくれ。俺たちの研究所は異世界の暮らしに関しても研究対象に入るから、もし分からないことがあったとしてもフォローはできる。」


 所長はしゃべりすぎたようで、一呼吸置いた。


「一応明日からより詳しく説明をする。この国の常識と、数時間前に君たちを襲ってきた男が使ったについて君たちは理解しないといけない。」


 浩多郎は所長の声に圧倒されて少し後ろに下がった。彼は、自分がもしかしてかなり厄介な時に異世界にやってきてしまったのではないかと額に冷や汗が流れた。

 遊里は浩多郎の様子を見て、何があったのか困惑の顔を浮かべた。

 しかし、先ほどの話から考えるに彼と一緒にかなりの厄介ごとに巻き込まれた可能性があるのではないかと推測はできた。もう彼と一緒にこの世界にやってきた時点で、厄介ごとに巻き込まれるときはどうあがいても一蓮托生だ。そこまでいい印象を持っている男ではないが、どうにでもなれと吹っ切れるしかない。

 彼女は浩多郎と同じように所長の姿を見た。相変わらず所長の圧が強い。

 所長は話を続けた。


「とりあえず今日は寝るといい。明日の話は長くなるからしっかり疲れをとってくれ。」


 所長は話を終えると皿をさっさと片づけた。その時に遊里は所長の髪の毛が銀色であることに気付いたが、それも含めて聞くのは明日にしたほうがいいと考え黙り込んだ。

 所長の話が終わると同時にほかの職員も食事を終えた。帰路につく者もいれば、2人と同じように仮眠室で寝る人もいた。2人にはまだ帰るべき家がないため、仮眠室で眠りについた。




 翌朝。2人は朝8時に目覚ましで起こされた。中山と羽生いわく「本来は7時に鳴るがいまは2人だけ8時に鳴るようにしてある」そうだが、連日の変化で2人はかなり疲労が溜まっており、起床にはかなり苦労したようだ。

 それでも朝食を食べなければ頭が回らない。2人は急いで支度をして昨日と同じ部屋へと向かった。

 そこにはすでに羽生がおり、2人の為に朝食を準備してくれていた。2人は朝早くから朝食の準備をしてくれていたであろう羽生にお礼を言いつつ朝食を済ませる。今日のメニューは鮭のおにぎりのようなもの。そこまで現実とそっくりなことに驚きながらも即座に口に入れて食べきる。

 時刻はすでに8時半を回った。羽生は2人が食べ終わったのを確認すると足早に別室へと移動し、誰かを呼びに行ったようだ。

 羽生が戻ってくると、一緒に太田所長がやってきた。浩多郎と遊里の2人に説明をするためにやってきたようだ。

 所長は2人と対面になる場所にどっしりと腰掛け、姿勢を正した。


「2人とも、おはよう。よく眠れたかな?」


『はい。よく眠れました。』


 2人はほぼ同時に太田所長へお礼を言う。所長は息がぴったりな彼らを見て、ニコニコしながら「そうか、それは良かった。」と返事をしてくれた。

 所長は2人の元気そうな姿を見ると、先ほど座ったばかりだというのに立ち上がり、部屋の奥にあった大きな白い板を運んできた。所長はそれのことを「ホワイトボード」と呼んだ。現実と同じようなものばかりで2人は一瞬混乱するが、すぐに落ち着きを取り戻す。

 所長がホワイトボード(のようなもの?)を持ってくると、羽生はそこになにやら黒いペンのようなものですらすらと文字を書き始めた。

 羽生が文章を書き終えると、そこには大量の文字が書かれていた。さすがに文字の羅列を読むだけでは理解できないだろうと思ったのか、所長がホワイトボードの横に立って説明を始めた。


「コホン。2人ともお待たせした。一応、君たちが昨日遭遇したことも含め、この世界のことについて説明をしようと思う。」


 所長は『虚実世界』と書かれた部分を指さした。


「小泉から、この世界の名前は聞いているな。ここは、宇宙が誕生したときに、現実世界と分裂して生まれたといわれている。」


 所長は3つの楕円と、真ん中の楕円から左右の楕円にそれぞれ2つの矢印を描いた。


「宇宙の誕生は、虚実世界でもビックバンといわれている。きっとこれは君たちも学校の授業で習ったことだろう。」


 浩多郎と遊里は頷いた。


「ビッグバンのあと、2つに分裂した世界は、互いに交わることはなかった。までは、互いに干渉することなく別の世界線として独立した『木の幹』だったんだな。」


 所長は目を細めた。


「ところが、さっきまで説明した前提が崩れる出来事が80年前に起こった。とある国にいた科学者が、決して交わることのなかった2つの世界を強制的に結び付けられるような装置を開発してしまったんだ。」


 浩多郎と遊里は唾をごくりと飲み込んだ。


「その装置の名前は、世界干渉装置せかいかんしょうそうち。人間の持つ寿命もとい『生命力せいめいりょく』を使って、科学技術では成し得ない事を可能にしたんだ。」


 所長は装置の名前を喋ると、席に座ってしまった。代わりに羽生が説明を続ける。


「生命力、というのは目に見えるものではないんですがね。人間にしろほかの動物や植物にしろ、この世界では1億年分の寿命をすべての生物が持っていると言われています。」


「ですが、どのような生物であれ基本的にはその膨大な寿命を扱いきれずに身体のほうが先に限界を迎えてしまい、死んでしまうのです。」


 ここで遊里が口を開いた。


「つまり、普通の生き物は膨大な寿命を『宝の持ち腐れ』にしてしまっているんですね。」


 羽生は頷いた。


「ええ、そうです。200年や300年生きる動物や、1000年以上にわたって立ち続ける樹木もありますが、1億年という膨大な寿命はどのような生き物であっても扱いきれるものではありませんでした。」


「しかし、世界干渉装置というのは恐ろしく、先ほどまで説明した前提をほぼすべて壊してしまったのです。あの装置は、物理法則なども含めてすべてを書き換えてしまう代物でした。」


 所長も羽生の話を肯定する。


「あの装置が使われたせいで、科学者たちは一つ厄介なものを生み出してしまいました。それは何なのか。」




「はっきり言いましょう。『特殊能力者とくしゅのうりょくしゃ』が誕生してしまったのです。君たちが中山と遭遇した男がです。」




 浩多郎は昨日の光景を思い出した。

 たしかに、男はポリタンクのようなものを持っていた。しかし仮にそこに着火したとしても腕や自分の衣服が先に燃えてしまうはずで、彼のように炎を自由自在に扱って自分たちを閉じ込めることなどありえないはずだ。

 羽生は話を続ける。


「本来炎や水を自由自在に扱ったり、急に他人の手を凍らせたりすることなどできるはずもないんですよ。しかし世界干渉装置のせいで物理法則が書き換えられたことで、例えるなら『魔法』のような力の行使が可能になったんです。それが、特殊能力とくしゅのうりょくなんです。」


 遊里は羽生の目をまじまじと見つめた。浩多郎も歯を食いしばって話を聞き続ける。羽生はしゃべり続けた。


「ただし、何の対価も支払わずに特殊能力を使うことはできません。その対価というのが、寿命ですね。言い換えれば生命力です。」


 遊里が手を挙げた。


「あの!」


 羽生が応じる。


「なんでしょう。」


 遊里は、昨日思っていたことを口に出した。


「その、特殊能力者についてなんですが、普通の人との違いというのはあるんですか?」


 羽生は答えた。


「ええ、あります。それは、髪の毛の色です。」


 彼は自分と所長の頭髪を指差した。

 彼の髪の毛の色は黒色だったが、よく見ると、も黒色や茶色、また極稀に見られる金髪でもなく緑色だった。


「普通の人であれば、髪の毛は黒であったり茶色であったり、金髪だったり赤みのかかった髪の毛だったりと様々な色をしています。」


「しかし、特殊能力者になってしまうと髪の毛の色が自分の能力に沿った色になってしまうんですね。」


 羽生の話で、遊里が昨日考えていた謎がすっかり解けてしまった。

 小泉の髪の毛の色も、自分たちを襲ってきた男の髪の毛の色も自分が普段見かけることのないような色だったのは、彼らが特殊能力という珍妙不可思議なモノを持っていたという印だった。

 遊里の頭の中で、かなりの事柄がつながったようだ。


「なるほど、つまり昨日私たちを襲ってきた男の髪の毛の色が赤色だったのもに関連があるんですね…」


 羽生は首を縦に振る。


「ええ、そうです。彼は火を自由自在に操ることができました。だから赤色の髪の毛をしていたんです。」


 羽生が話し終えたのを確認した所長が、椅子から立って彼の横に立った。


「羽生がさっき言ったように、80年前に行われた実験でこの世界にも、現実世界にも存在しなかったはずの『特殊能力』が誕生してしまった。」


「当然、俺達人類が開発していた兵器類では敵うはずもなかった。兵器は生産しなければ使用できないが、特殊能力者は寿命が尽きるまでなら幾らでもその力を発揮できるからな。」


 羽生は先ほどから頷いてばかり。浩多郎は先ほどからの話の内容を理解しているのか理解していないのか、表情が一切変わっていない。今真剣に話を聞いているのは遊里くらいだ。遊里は(こいつ寝てるのか?)と疑いをかけて体を揺さぶろうとしている。

 所長はそんな面々を無視して話を続ける。


「そこで、過去の人たちはこう考えた。いくら兵器を利用しても無尽蔵に近い暴力で圧倒されるなら、自分たちも特殊能力者を雇って組織し治安維持の集団を作るべきでは?とね。」


 先ほどまで一切表情を変えていなかった浩多郎が、急に表情を変えた。何やらハッとしたような顔をしている。浩多郎は遊里と同じように手を挙げた。


「すみません所長、話に割り込んでしまってごめんなさい。」


 所長は笑顔で応じる。


「なんだい?質問があるなら遠慮なく言ってくれて構わないぞ。」


 浩多郎は一息ついてからこう言った。


「その組織は、今僕らがいる日元の国にもあるんですよね?」


 所長は表情を変えなかった。

 だが否定の意を示すこともなかった。ただこう答えた。


「あるさ。その組織の名前を今から言おうと思ってたんだよ。」


 浩多郎が一瞬目をそらすと、所長のそばにいたはずの羽生がいない。どこへ行ったのかと彼はあたりを見回す。


「羽生は今人を呼びに行ってる。今から君たちに、紹介したい人たちがいるからな。」


 所長は、浩多郎に落ち着くよう促した。浩多郎は意図を察して深呼吸する。しかし遊里は、所長の話の意図が分からなかった。彼女の顔に緊張が走った。


 それから数分して。ドアをノックする音が2回聞こえた。ドアの向こうからは、羽生と中山の声が聞こえた。


『呼んできましたよ。』


 所長は2人に室内へ入るように促す。それと同時にドアがゆっくりと開いた。そこから出てきた人数は、7人。

 そこには、羽生と中山のほかに赤、水色、緑、ピンク、黄色の髪の毛をしている5人組が。

 浩多郎と遊里はその姿に見覚えがあった。昨日の戦闘時に男をあっという間に拘束し現行犯逮捕につなげた集団だ。しかも見た目の上では自分たちとそう変わらない年齢である。

 所長は自信満々の顔で、両腕を広げた。


「紹介しよう。彼ら5人組、そして俺たち研究所の職員全員が所属する部隊を。」


 所長は自分の胸元を親指で指す。


「俺たち全員、日本国警察執行機関。警察長官直属の、特殊能力部隊とくしゅのうりょくぶたいだ。」


浩多郎と遊里は、内心でツッコミを入れた。

(そのまんまやないかーーい!)



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