第9話【観察中にテーマ】

「らべりんぐ」

ひとつかふたつの単語の組み合わせによって成り立つ、印象の強い造語が”らべる”とここでは定義する。“らべりんぐ”とは、人物や物体や事象に対して“貼り付ける=らべるを付ける“事をここでは指す。

らべるは、基本的には使い捨てである。辞書や百科事典などの専門書にも収録される事があるが、らべりんぐの機能を失うと役目を終えるらしい。その理由は、らべりんぐ先の人物や物体や事象が、ぎょうかいの内でも外でも露出度にムラがあるからであろう。だが、注意したいのは、らべるの役割だけが期間限定であり、決して、らべりんぐ先の人物や物体や事象の存在そのものや価値は期間限定などではないことだ。

昨今、すとーりーらいんを含む製品には、らべりんぐが目立つようになってきた。製品のユーザー側には、らべるによって共通認識があるので手に取りやすい利点がある。気軽に利用し、消費または飽きたら捨てる。もちろん、製品自体はリサイクルショップや施設への寄贈なども良い。

以上を踏まえた上での事だが、らべる自体も、同じように再利用されていくことを願いたい。制作のコストや人的エネルギーや社会的意義だけでなく、そこに関わる人間の情熱や夢などを次代に繋げる事は重要ではないか。ぎょうかいの内でも外でも、その責務や責任の所在は明確にしたままで。

最後に重ねて言うが、決してらべりんぐ先の人物や物体や事象の存在そのものや価値は期間限定などではないということは、忘れないでいてほしい。






「れんあいのすとーりーらいん」

ぎょうかいの一部では家族、恋人、友達という関係性を一切排除している場所があるようだ。その話題自体が、タブーらしい。よってそこでは、擬似的に上記の関係性を作り出し、ぎょうかい内におけるすとーりーらいんの製作に運用しているようだ。いわば、職場関係の人々のみで構成されるロールプレイのようなもの、らしい。その職場は、大元の出資会社の正社員や契約社員やアルバイト、外部からの派遣社員やフリーランスや下請け会社の作業員によって構成されていると見ている。

れんあいのすとーりーらいんの製作に関しても、上記のような過程で進むようだ。

れんあいのすとーりーらいんは、れんあいの明るい側面も投影されれば、暗い側面も投影される。

れんあいから、結婚やその次へのライフステージが無事に進むすとーりーらいんを明るい側面とする。少々乱暴な区分だが、それ以外のすとーりーらいんを暗い側面とする。

明るい側面に結実するとーりーらいんを製作し、最小限のストレス下でロールプレイの業務をしてもらう。それをストレスなく受け手側に供給する。それを明るい側面のれんあい製作ラインと定義する。

今日、ぎょうかい外では、大手企業だけでなく中小企業にも一般的に、職場関係にメンタルヘルスケアが必須である。実際、定期的に検査が行われている。医療機関などへ繋げたりなど自己管理を徹底してもらい、職場でのトラブルを未然に防ぐ為でもある。以上のような現状を踏まえると、“今”という時節では、明るい側面のれんあい製作ラインで作られたすとーりーらいんしか提供は厳しいと見ていいのではないか。異論があるかもしれないので、この冒険が進んだら、加筆したい。

だが、れんあい感情は、本来は生物としての種の保持に関わる重要な感情である。売買はほどほどにしたいところだ。

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