『しんく』

シンクの汚れを落とすのが好きだ。

心の汚れまで落ちていくから。

考えずに没頭することが出来るし。

「いたっ。」

ふと見ると小さなガラス片が私の身体を切りつけていた。深く濃い紅が排水溝へと渦を巻いて飲まれていく。

辛く苦しい思いはしたが私は悲しいとは思わない。

またシンクを洗えるんだから。















―――――――――――――――――――――――


【使用単語解説】

シンク…台所の流し

心垢…心の汚れ

シンク…考える

身躯…からだ

真紅…深い紅色

辛苦…辛く苦しい思い

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