ちょっと、アンタッ!

酒に弱いアンタが。

酔っぱらうと。


繰り返す、たわ言。

もう、何年も前のことなのに。


しようがないよね。


私は苦笑しながら。

酔いつぶれたアンタに毛布をかけてあげる。


意気地なしで優柔不断の。

ヘタレなアンタが。


私は。

大好きだった。


そう。

あの時。


土砂降りの雨の中。


私は交差点の向こうで。

待っていた。


行きかう車の。

ヘッドライトが眩しくて。


信号を待っているアンタを。

見つけることが出来なかった。


だから。

引き返した交差点で。


荒い息を吐いているアンタを見つけた時。


私は。

アンタの胸に。


飛び込んだのでした。

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