飲み物で能力強化!~最強ドリンカー(?)はダンジョンにGO!~

りくま

第一話 いつも通りのダンジョン......?

「これで10体か……」


 ため息をつきながらモンスターどもを倒していく。俺こと春夏冬隠花はダンジョンに潜っている。現在はダンジョンに潜って金を稼いだり、配信者として人気を得たりと様々なダンジョン関連の職業がある。俺もその一人だ。


「お前ら、何も考えず俺に突進してるからやられるんだぞ」


 前にいる吸血鬼ヴァンパイアに伝えるが何も反応はない。そりゃそうだけど。


「ま、いっか」


 流れ作業のように敵を倒していると、キーンと大きな音が聞こえる。


「この音は緊急救助要請の音か」


 ただの救助要請ではなく、緊急ときた。これはいかないと規則違反だな……。すぐに俺は音のなったところへ向かう。


 ◇


「なにこれ......」


 配信者である私、東山朱莉はダンジョンに潜っているところを配信していた。しかしそこで予想もしていないことが起きた。


「こんなA級モンスターの悪魔デビルがいるなんて……」


 A級モンスターがこんな浅い層に現れた。こんなことはめったになく、準備もしていない。


:大丈夫か、あかりん?

:これガチでやばいやつ?

:にげてあかりん!

:これはおわったな

:早く緊急救助要請したほうがいいよ!


「確かに早く緊急救助要請しなきゃ……」


 そうして、専用の道具を使って緊急救助要請をした。ただ、すぐに救助が来るわけがない。大体の場合は緊急救助要請を出した人は次の被害への抑制のための犠牲となることが多い。


「それでもあきらめるわけには……」


 立ち上がろうとしたが、足が震えて立てない。言葉では強気でも心は怖気づいてしまうようだ。


:だれか助けにいけないのか!

:無理だろ、そんなすぐには……

:それに通知はA級探索者以上にしかいかないし……

:早く逃げて

:逃げるだけならワンチャンある!

:早く!


 コメントが流れていくのが見えるが、まったく足が動かない。目の前の悪魔デビルの魔法が自分にむかって放たれる。まだ、カピオカ飲めてないのに死んじゃうのかな……。諦めて目を閉じr「ズドォォォォォン」


「大丈夫?」

「……え?」


 ◇


 どうやら間に合ったみたいだ。もうちょっとで彼女が死ぬところだった。でも、おかしいな。こんな層に悪魔デビルがいるなんて。そして俺は悪魔デビルと対峙する。とりあえず倒すのが先だな。


「少し後ろに下がっててね?」

「は、はい」


:この人だれ?

:知らないけど、攻撃止めてたし結構な実力でしょ

;そもそも要請聞いて、来たんだから強いでしょ

;それはそうだな

:とりあえず助かった……のか?

:大丈夫そうだし、俺は風呂食ってくる


 うーん、どうやってこいつ倒そうかな?。今の力じゃちょっとむずいかもだし、あれするしかないか……。俺は炭酸飲料のラーコを取り出し、飲み始める。


「??」


:草

:なんでこの人ラーコ取り出してるの??

:この状況でラーコは強すぎるだろ……

:俺も飲みたくなってきたわ

:悪い、俺は肆矢サイダーの気分だ


そうして俺は言う――


「この、舌がシュワシュワする(キリッ)、そして歯がキシキシする感じ(キリッ)、これはまるで飲み物の宝石店や(キリッ)」


朱莉「………………………………………………」


:……

:……

:おいどうにかしろ、この空気

:……カッコイイネ

 

 やめてその目、俺もしたくないのにこうなるんだよ! と、とりあえず倒すとするか。


「炭酸ばぁくはつ♡レッツゴー☆」

 

 俺の手から泡を出して悪魔デビルをぶっ飛ばす。一発で決められたぜ。……お前ら何も言うな。

 

朱莉「………………………………………………」


:……

:……

:おいどうにかしろ、この空気

:……カッコイイネ

:圧 倒 的 既 視 感


 はあ、だからこの固有能力は見せたくなかったのに……。

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飲み物で能力強化!~最強ドリンカー(?)はダンジョンにGO!~ りくま @yorikuma

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