飲み物で能力強化!~最強ドリンカー(?)はダンジョンに!~
りくま
第一話 いつも通りのダンジョン
「これで10体目か」
そう声を出しながら、安心したように息を吐く。俺、
現在世界中にはダンジョンがたくさんある。急に数十年前誕生した。それを探索する職業、探索者がかなりの人気を得ている。
この世界のすべての人が能力を持っている。例外はない。その能力も多岐にわたっていて、戦闘系の「空気砲を打てる」や銭湯系の「水をお湯にする」、先頭系「人々の視線を引き付ける」などいろいろある。だが戦闘系の能力が半分を占める。
ここで俺の能力について話そうと思う。俺の能力の名前は
「ドリンカー」
……どんな能力が疑問に思っただろう。……簡単に言えば飲んだ飲み物の種類によって異なる様々な力を得るということだ。試しに今の力を見せよう。ちょうどそこにゴブリンがいることだしな。
「酸」
俺は目の前の敵に手を向けて、その言葉を放つ。するとゴブリンに向かって液体が手から飛び出し、その液体がゴブリンの体を溶かした。
「ギィアアアアア!」
ゴブリンは溶ける痛みに耐えきれず、悲鳴を上げる。その体が徐々に溶け、酸の匂いが周囲に広がる。
これが力の一例だ。能力は基本的にその飲み物の特徴が反映される。この能力はラーコを飲むことによって手に入る。またラーコにはほかにもいくつかできることはある。
魔石を回収して、俺はダンジョンの出口へと向かう。十分魔石は回収できたからな。
◇
出口へ行くと人がゴミのよ……多く集まっていて賑わっていた。すると一人がこっちへ向かって来ている。
「お、真也じゃん。今ダンジョン上がってきたのか?」
俺の友達である
「まあな。ところでこの騒ぎはなんだ?」
「お前、知らないのか? あのクラン、皇女舞踊がメンバー募集するらしいぞ」
「あー、あの大規模クランか」
探索は一人では危険な場合も多く、クランというグループを作るところも多い。その中でも上位の皇女舞踊は大人気クランなのだ。その理由はトップクラスの実力者が多く、冒険者ランクのトップであるレジェンド持ちが3人いる。ちなみに全員女である。そしてその3人はビジュアルは最高なので、お近づきのために入ろうとする人もいるようだ。
「俺は一応応募するつもりだけど、倍率高いから無理だろうな。実力者も多いし。お前はどうする?」
「うーん、俺はパス。クラン所属って面倒くさそうだし」
「えー、一筋の希望にかけてみようぜ!」
「そういわれてもなぁ」
「そうだよー みっくんも皇女舞踊に入ったら私は嬉しいよー」
「「!?」」
突然耳にしたその声に、心臓が一瞬跳ね上がる。
「真白じゃないか!」
振り向いて、見えたその人は長くて白い髪をもつ、少し身長が低い俺の幼馴染である、
「やっほー」
「どうしたんだ、真白。今日は皇女舞踊の仕事はないのか?」
「そう、今日はオフなんだー」
会話からわかる通り、真白は皇女舞踊に所属している。しかも……
「し、真也。お前、皇女舞踊のレジェンドランクの霧崎真白と知り合いなのか!?」
「まあな」
真白は皇女舞踊でも3人しかいないレジェンドランク持ちなのだ。本来ならかかわりがあるのも珍しいが、俺たちはちっちゃい頃からよく遊んでいたため、交流がある。
「ていうかー、みっくんは応募しないのー?」
「いやー、クランとか面倒くさそうだし……」
「わかった、了承も得られたし、応募しとくねー」
「おーい、いつ俺が了承したって?」
「細かいことは気にするな!」
「急に勇ましいなぁ!」
「あ、頼まれてたオーストラリアのお土産渡しとくねー」
そういいながら、真白は手に持った袋を俺に渡す。これは……。
「お、ありがとう。これ欲しかったんだよな」
「試したら効果どんな感じか教えてねー」
「へーい」
そう、いま受け取ったのはオーストラリアの飲み物だ。 ビリーティーという名前だ。これをお土産として真白に頼んでいたんだ。明日にでも試してみるかな。
「そういえば、そのクランには応募する人はたくさんいると思うんだが、どうやってその中から選ぶんだ?」
「えっと、それは内緒ー。召集の日に詳しくは説明するよー。大丈夫みっくんが"ちゃんと本気"でやれば余裕だよ」
「……そうか」
何があるかはわからないが、とりあえず招集日に指定の場所に行くとするか。
――――
新しく書かせていただきました。能力の内容は基本的に現実のドリンクを参考にしています。ラーコがなぜ酸なのかなど、力の理由を考えるのも楽しいかもです。
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