episode3.絵本"口人形"

日報受取人③



このお話はある男の調査報告である。



絵本 "口人形"を読むと会話が出来なくなる事例が多数報告されている。


出版社不明、著者 襖ロシ氏となっている。


全国の図書館にて在架が確認されているが貸出リストにその本の名前は一切確認されていない。


当該絵本に関して、オカルトルポライターの人見秀一氏は「この本を見つける」と言い、岡山県の図書館にて捜索を開始し、発見した。


人見秀一氏曰く、この本を見たものは口が無くなったような感覚に陥るとのこと。


また、当該絵本を読んだもの同士は会話が成り立つように頷くことが確認されており、念話をしているのではないかと言われている。脳波から言葉を生成するAIにより調査をしたところ、人間のどの言語とも異なる会話をしていることが確認された。


人見秀一氏は今回の件については他言無用だと口にした。



現在も当該絵本は全国の図書館にて在架が確認されており、一人、また一人と絵本の読者は増加している。



以上。

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