第16話

* 鉱山地帯 * 


現在、3人でのパーティーを組んで。


火山エリアの、鉱山地帯に居る私たち。


ただいま、作戦会議の真っ最中。


目の前には、木で出来た柵が並べられている。


「ここから、フィールドダンジョンに入る。


目的地に着くまでに、ラクスさんの平和ピースに頼りきりなるが。」


ダンさんが、ラクスを見ながら申し訳なさそうな顔をする。


★フィールドダンジョン★

*フィールド上に存在するダンジョンで、切り替わり演出が無い。


「全然、構いませんよ。 問題は、私のスキル値で大丈夫なのかどうかです。」


平和ピースの、スキル値が50前後あれば大丈夫だと。


CBクローズベータ時代の知り合いの吟遊詩人バードは言っていたが。」


そう言って、ラクスに視線を向けるダンさん。


さすがに、対人可能のゲームで、他人のスキルを聞くのは気が引けるのだろう。


「大丈夫です。 59%台です。」


ラクスが、自分のスキル値を教える。


「自分で振っておいて何だが。 余り簡単に、自分のスキル値は教えない方が良いぞ。」


頬を掻きながら言うダンさん。


「あら、ダンさんは。


私のスキル値を、容易く他人に教えるような人なんですか?」


首を傾げながらラクスが問う。


「いやっ! そんな事はしないぞ!」


慌てて、ダンさんが返事を返す。


「なら、問題はありませんね。」


ニコっと笑顔で、ラクスが返事を返す。


ラクスの言葉に、少し顔を赤くして頷くダンさん。


ラクスの笑顔は、ある意味最強の反則技です……。


あの笑顔を向けられると、男女問わずに照れない方が無理ですから……。


「まず最初に、目指す場所だが。


中は、多少の迷路化はしているが。


基本的には、小部屋が存在するだけの、行き止まりのダンジョンだ。


中腹の小部屋に、溶鉱炉の設置された部屋が在る。


そこが、俺達の目指す場所だ。


そこなら、掘りだした鉱石を、そのまま加工できるので、重たい鉱石を持ち歩かないで済む。」


そう言って、私たちの顔を見る。


ダンさんの言葉に、私とラクスは頷いてみせる。


鉱石ore

*穴掘り師が掘り出す事の出来る素材の原料である。

*鉱石を加工しないと、物凄く重い。

*鉱石のままだと、20個も持つと最大所有量ウェイトオーバーで歩く事ができなくなる。


★溶鉱炉★

*鉱石を加工する為の場所オブジェクト


「んで、辿り着いたら。


俺が、記録マーク巻き物スクロールを使って、ルーン石に狩場を記録マークする。」


そう言って、巻き物(スクロール)を見せる。


★ルーン石★

帰還リコールの魔法を使う為に必要なアイテム。


帰還リコールの魔法★

*記録(マーク)した場所に、瞬時に移動(転移)できる魔法。


記録マークの魔法★

*ルーン石に、記録マーク)の魔法を使った場所を、記録させる事ができる魔法。



「勿論、2人の分のルーンブックと、ルーン石も用意してあるので。記録マークしたら渡す。」


★ルーンブック:祝福ブレスアイテム★

記録マーク済みの、ルーン石を20個入れて置ける本。


祝福ブレスアイテム:ゲーム用語★

*死亡して幽霊に為った時でも、死体の中に残らないアイテム。

*生き返ると同時に、自分のアイテムストレージの中に入って居る状態。


ダンさんの言葉に、私とラクスは顔を見合わせて微笑む。


流石は、CBクローズベータ経験者のダンさんだ。


何をどうすれば、効率的に動けるかを知っているので凄く助かる。


★フィールドダンジョン内は、通常のフィールドと同一視されるので、記録マーク可能領域に入る★

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