第3話

「ワールドオブジャスティスはなにを思うかね、しがらきくん?」

「オールマイト先生、やはり”正義の象徴”と名乗るかれは”世界の邪魔”だ。」

「それはヴィランとしての言葉か?”ヒーローとしての言葉”か?」

「まあどっちでもあり、どっちでもないでしょう。個人的にも好きでもないし、社会的にも好まないでしょう。」

「やり方か?性格かい?」

「やはり”生きざまが気に食わない。かれはヒーローを自称してるのにヴィランのようなやり方をする。ヒーローでせこせこ生きるのではなく、我が暴力を公然と認める。許されざる行為だ。」

「なるほど、きみの言うことはわかった。ところでぼくのからだのヒーロー細胞はどれくらいで使えるんだい?」

「ドクターが言ってたでしょう、注入後、一ヶ月でからだと精神に溶け込み、連動が起きると。その間に拒絶反応が起きなければ、そろそろ使えるはずです。」

「やはりか、からだのうごめいてるのを感じる。これはヒーロー細胞のちからか。」

「体温性も上がっています。おそらく全盛期の1,5倍程度のパワーは出ます。個性とは違いますが、充分な仕事はできますよ。ですが、これでは先生はまるでヴィランだ。」

「いまはしょうがない、もはや”正義の執行”にヒーローもヴィランも選べなくなってきた。やはり隠れてうごくしかない。そのためにはきみたち、”ヴィラン連合”のちからが必要だ。」

「やるんですね、やはり。みな落ち込んでいましたよ。平和の象徴にここまでやらせるのかと。」

「いたしかたあるまい、もはや治安はあってないようなものだ。この”混沌のせかい”では正義を示すには”ちからが必要”なんだ。」


時代は、平和なき時代。なにもかもの法は崩壊し、ちからが納める時代。せかいは平和ではなく、”正義をもとめている”。”時代の象徴”はなにをせかいにみせるか。

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