第17話 接戦

 岸和田城の探索が終わり、結城誠は学園に戻り、新たな熱意で日常生活に取り組むこととなった。その中で、彼は学園のバスケットボール部の副顧問になり、青春の一幕を彩る活動に身を投じることにした。


### **バスケ部の活躍**


 学園のバスケットボール部は、地域の大会で常に良い成績を収めており、部員たちは熱心に練習に励んでいた。部員たちは結城を歓迎し、すぐに受け入れた。結城は過去にスポーツ経験があったわけではないが、持ち前の集中力と学ぶ意欲で、部活動に順調に溶け込んでいった。


### **新たな挑戦**


 ある日、バスケットボール部の練習中に、新たな挑戦が部員たちを待っていた。部の顧問である斎藤は、地元の強豪校との親善試合を決定したと発表した。試合は一週間後に予定されており、部員たちはその準備に追われることとなった。


「結城君、君の加入でチームがさらに強くなったよ。これからの練習も頑張っていこう」斎藤先生が励ましの言葉をかける。


 結城はその言葉を受けて、練習に一層力を入れることにした。彼はバスケットボールの基本技術から戦術までを熱心に学び、毎日の練習で体力と技術を磨いていった。


### **試合の日**


 試合当日、学園のバスケットボール部は対戦相手の強豪校、白井高等学校と対峙することとなった。試合は学園の体育館で行われ、多くの生徒たちが応援に駆けつけた。結城もその中でチームメートと共に、緊張と興奮の入り混じった気持ちを抱えていた。


 試合が始まると、白井高等学校の選手たちはスピードと精密なパスワークで攻めてきた。鳴影学園の選手たちは一丸となって守備に徹し、結城もディフェンスとして奮闘した。

 彼は白血病の為に退部した前田学の後釜として活躍した。

 彼の努力が功を奏し、相手チームの攻撃を幾度となく阻止することができた。


### **劇的な瞬間**


 試合は接戦となり、最終クォーターに突入した。残り時間が少なくなる中、鳴影学園は1点差で白井高等学校にリードされていた。結城はチームメートと共に最後の力を振り絞り、攻撃に転じた。


 試合終了間際、結城はコートの端からボールを受け取り、ドリブルでゴールに向かって突進した。相手のディフェンスが迫る中、結城は冷静にシュートを放ち、そのボールは美しい弧を描いてリングに吸い込まれた。ゴールの瞬間、体育館は歓声に包まれた。


 試合終了のホイッスルが鳴り響き、鳴影学園が逆転勝利を収めた。結城は勝利の喜びを仲間たちと分かち合い、チーム全体の努力が実を結んだ瞬間を心から楽しんだ。


### **青春の一ページ**


 試合後、結城とチームメートたちは勝利を祝うために集まり、その日の成果を喜び合った。結城はバスケットボール部の一員として、新たな友情と達成感を得ることができた。彼の努力とチームの団結が、学園生活に新たな活力をもたらした。


 結城は、学園のバスケットボール部での経験を通じて、仲間との絆や努力の重要性を再確認し、青春の素晴らしさを感じながら成長していった。

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