第14話 イベント

 春の終わり、学園内では新たなイベントが開催されることになった。それは、「位置ゲームバイオハザードリアル」と呼ばれる、バイオハザードをテーマにした大規模なリアル体験型ゲームだ。このイベントは、学園内に設置されたさまざまなエリアで「ゾンビ」との戦いを模擬するもので、生徒たちの間で大きな話題を呼んでいた。


### **位置ゲーム バイオハザードリアル**


 結城誠は、このイベントに興味津々で参加することに決めた。彼はゲームのスタート地点で、他の参加者たちと共にルールの説明を受けていた。ゲームの目的は、学園内に潜む「ゾンビ」を撃退しながら、指定されたアイテムを集めることだ。指定されたエリアには、さまざまなトラップや謎解きが待ち受けており、参加者たちは協力しながらミッションを達成していく。


「さて、結城さん、準備はいいか?」と、イベントの運営スタッフが声をかける。


「もちろんです!楽しみにしていました」結城は意気込みを見せた。


 ゲームが開始されると、学園内の各所に配置されたゾンビ役のスタッフたちが、リアルな演技で参加者たちを驚かせた。結城は最初のエリアで、ゾンビに遭遇する前に注意深く周囲を確認し、仲間と連携を取りながら進んでいった。


「このエリアには、アイテムが隠されているはずだ」結城が言うと、仲間たちは頷きながら周囲を探し始めた。


 突如として、ゾンビたちが現れ、参加者たちの前に立ちはだかった。結城は冷静に戦略を練りながら、仲間たちと協力してゾンビたちに立ち向かった。サバイバルゲームのスリルが、彼の心を高揚させた。


「結城さん、左から来てるぞ!」仲間の一人が叫び、結城はすぐに反応してゾンビを撃退した。


 次のエリアでは、難解な謎解きが待っていた。結城と仲間たちは協力して手がかりを探し、謎を解くことで次のステージへの扉を開けることができた。その過程で、結城は頭を使い、仲間とコミュニケーションを取りながらゲームの進行をリードしていった。


 ゲームが進むにつれて、結城と仲間たちの絆が深まり、チームワークの大切さを実感する場面が多くなった。最後のステージに到達するころには、疲れながらも達成感に満ちた表情を浮かべていた。


「よくやった、結城くん!」と、運営スタッフが賞賛の言葉をかける。


「ありがとうございます!楽しかったです」結城は笑顔で応えた。


 イベントが終了した後、参加者たちはその日の体験を振り返りながら、達成感と友情を共有した。結城にとって、このリアル体験型ゲームは単なる遊びではなく、仲間との絆を深め、学園生活に新たな刺激をもたらす貴重な時間となった。

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