第20話 Self Loathe


ウィスキーのボトル空にしたら

この恋も忘れられるさ

ロックグラスに氷転がし

素敵な夜を楽しもう!


BGMはスロージャズ

たっぷりある薄切りの未練

情けないほど赤い目に

溶け込ていくよ琥珀色の涙


君が長い髪をかき上げた時から

聞こえてたよ最後の言葉


だけど俺は…

だけど俺は…

今ただ口元でグラス傾けているだけ

グラスを傾けてるだけ…



雨が少し降って来たみたいだ

一人の臆病者のかわりに

ピーナッツを口に頬張りながら

何かに怯えている


突然鳴る着信を待ってる

本当は全てを知ってる

二度と戻らない時の流れの重さ

呑むほどに酔うほどに感じてる


嘘だと動き出すことを期待してたよ

ルージュを淡く塗った唇


だけど君は…

だけど君は…

ずっとただカクテルグラス見つめていただけ

グラスを見つめていただけ…



あと少しでこの恋も終りさ

そしてやってくるSelf Loathe(自己嫌悪)

あと少しでこの恋も終りさ

そしてグラスが一つ減る


だから俺は…

だから俺は…

酔いつぶれて明日の朝まで眠っていたいだけ

眠っていたいだけ…


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る