第9話 愛しているなんて…


愛しているなんて言わないで

ひと時の夢に踊らされることぐらい

辛い事は無いから…

愛しているなんて言わないで

貴方の嘘に酔えるくらい私

もう子供じゃないのよ…


きつく抱かれた体も

重なる吐息も

許されない現実でしかないの

悲しいけれど…


だから

愛しているなんて言わないで

部屋を出る前に…



愛しているなんて言わないで

心が跳ねあがる分だけ落ちていくのに

耐えられそうにないから…

愛しているなんて言わないで

信じてる私と疑っている私

涙が出そうになるから…


固く握られた手と手も

感じる重さも

許されない現実でしかないの

情けないけれど…


お願い

愛しているなんて言わないで

振り返る前に…


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