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    久しぶりの投稿、それもリストのピアノ曲のようなタイトルで、また文芸風に仕上げられたのかな、と拝読させていただきましたが――。
    これは……ホラーというよりSFですね。それも、かなりレベル高そう。論理的にもきちんと筋が通ってますし、何より叙情短編と地質ミステリーとSFホラーと、いずれで評価してもがっつり読み応えがあるのが見事です。

    あえて申し上げるなら、病を得た動物が大量にひとつところに集まる、というプロセスの部分にもう一工夫ほしい気はします。作中にあったようなすり鉢状の地形が世界中どこでもあるわけではないですし、多分「たまたま死体が集積するような地形があったところでのみ、石油ができた。それだけでも莫大な量だった」という論理で書いておられるのでしょうけれど、小さな石油だまりが死に瀕した者をさらに呼び込むような構造とか理屈があれば(それがスピリチュアルなものであれ)、ホラーとして、あるいは「世界に広がる意識」を扱ったSFとして、もう一枚広がりができるかもと考えた次第です。

    地質学って、十九世紀の後半でも結構バカっぽい理論を大真面目に論じていたりするんで、そのうちそういうのをテーマにもしたいなあと思ってましたが、ここまでシリアスな傑作が目の前に出ると、もっとまじめに書かなければ、と襟を正したくなりました w。スケール感も半端なくて、読後感がいいですね(その点、私は破滅への恐怖というより、時間と空間の広がりにただ恍惚としてしまった口です)。詩的-散文的という言葉の往復が、最後にひとつのイメージへと昇華した手法もまた素晴らしいと思いました。

    作者からの返信

    さっそくのコメント、ありがとうございます。
    自分としては、いろんなところをつぎはぎしてなんとか作品にしたという思いで、お褒めの言葉をいただいて嬉しいです。

    ご指摘の、感染の拡大の仕方については自分でも弱いなあと思っていたところでして、当初はほとんど説明もなかったくらいでした。
    実はラストシーン、星野之宣の「宗像教授伝奇考」という漫画に、北海道の大洞窟をさまようエピソードがあり、イメージとしてその影響を強く受けています。
    こういうところでもイメージ先行の弊害が出てますね……