第13話


「ああ! エミリー、大丈夫!?」


 戦場に似合わないラフな格好で空から現れた薫に、周りの冒険者は、そして魔物でさえも動きを止めた。


「エミリー、怪我してるよね!」


「お嬢様? …これくらいの怪我はあるものですよ。」


「ダメだよ! 治さなきゃ!」


「お嬢様、先に魔物を退治してください。」


「あ! そうだった。」


 パチン


 薫は指を弾く。

 魔物は消滅した。


「え?」


「早くエミリーを治さないと!」


『精霊よ、我が願いに応えろ。《Heal you》』


「すごい。傷がほとんど治った…。」


「ああ、まだ残ってる。」


魔法陣多重展開Summon god


「え?」


 薫がそう呟くと、周りに数千を超える魔法陣が現れた。

 1秒と経たぬ間に、それぞれが光を放ち始める。


「​ごほっごほ! おい、リリィ。何のようだ!」


「エミリーを治して!」


「そのエミリーとやらはこいつか?」


「そう! 早く治して!」


「見た感じある程度傷は塞がっているが…」


「いいから早く!」


「ったく、リリィは神使いが荒い… この程度の要件で呼びやがって…」


 そうブツクサとつぶやいや後、神はエミリーに手を向けた。

 エミリーは神々しい光に包まれて傷が消えていく。


 気づけば、汚れた剣まで新品のようになっていた。


「これでいいか?」


「完璧だよ! ありがとう、創造神。」


「ったく。しょうがないやつだな。」


 そういって、薫は神に抱きついた。

 神も、薫を慰めている。


「と、尊い…」


 エミリーの目には、ハートが写っていた。



 ストック尽きました…

 次の公開は220PVにします。まぁ、公開できないんですけど。

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