29日目 テーマ:焦がす

料理はその一瞬で焦げる。今朝もずーっと目玉焼きのめだまの部分と睨めっこしていたのに、目を逸らしたほんの一瞬のうちにジュッと音を立てて焦げついた。いつもやらかす。学ばない。反省がない。またどうせやっちゃうんだろうな、と上手く焼けなかった目玉焼きを皿に移す。でも美味しいことには変わりないし、まあいっかと思う。ここが「学ばない」の核心の部分なのにこうやって忘れて、またやってしまうのだろう。まるで人生に似ているのにな。そんなことに気づかず目玉焼きを頬張る彼女を、フライパンは呆れた気持ちで見ていた。

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