第23話 順調!?お手伝い!?小籠包!
移動4日目は、とてつもなく順調な旅だった。
朝食は、マッ○の朝メニューを“再現”したものにした。ソーセージ的なやつとベーコンエッグ的なやつとフィッシュ的なマフィンに、ハッシュドポテト的なやつとサラダ的なやつだ。飲み物は、野菜ジュースにした。ジャンクフードと呼ばれる料理もしっかり出していく。二人には色々知ってもらわなければならないからね。それに、これなら手でつかんで食べられるからアルエも食べやすいからね。アルエは、昨日の夕食時には既に食器を使いこなしてはいたが、朝から食事をするときに神経を使わせたくないからね。
朝食後は、皆で洗濯をした。僕だけに洗濯をさせるのが申し訳ないとのことっだったので、一緒にやることにした。とは言っても、白系と色物系、下着類を分けて洗濯機を回し、乾燥まで終わったら畳むだけだったが。お母さんは、メイドとして働いていた時に手で洗っていたのと比べて、楽過ぎると改めて感動してくれていた。
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9時になったら出発して、10時に休憩をとり、その後1時間程移動して昼食、また1時間程移動で3時の休憩、最後にまた1時間程移動した。マプア王国から鍛冶国家ドメイワに入ったこと以外は、本当に何事もなく移動することができた。まあ、越境も空高く飛んでいたし“認識阻害”も掛けて見つからないようにしていたので「国境越えたな~」くらいにしか感想は無かったが…
ちなみに、10時のおやつは葛切りと抹茶、昼食はほうれん草とシーフードのマカロニグラタンとフランスパン、3時のおやつはグレープフルーツと温州みかんと伊予間とデコポンの4種類が入っている柑橘ゼリーと紅茶にした。
朝が、バーガー系だったため10時には和菓子でツルっといけるものが食べたくなり、昼食時にはホワイトソース系をまだ出していないなと思い最初に思い浮かんだのがグラタンだったし、3時には今日はビタミンが足りていないなと思ったのでこういう感じになった。
家を出す場所も、鍛冶国家ドメイワの東側は割と平地が広がっているので、特に苦労することなく見つけることができた。西側は山が沢山あるので西側を進んでいたら場所探しが大変だったかもしれない。しかし、食の街ステボナが大陸の南東にあるので僕達の進路がそっち方面だったのが良かった。
今日の移動も場所探しも順調に終わったので、昨日仕込んだ小籠包作りの続きをゆっくりできそうだ。だがまずは、料理の前にゆっくりお風呂に入ろう。その時に、お母さんとアルエに小籠包の餡を皮に包む作業を手伝ってもらえないか聞いてみようかな?
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お風呂に入っている時に二人に聞いてみると、是非やりたいと言ってもらえた。
「もちろんやるわよ。アルエと一緒に料理するの凄く楽しみだわ。」
「料理のお手伝いですか⁉やりたいです!わたしもやりたいです!」
お母さんはウキウキした声で同意してくれたし、アルエはハイ!ハイ!ハイッ!という感じで手をあげながら自分もやりたいとアピールしてくれた。
お風呂から上がりみんなで厨房へと向かう。
僕は、汚れても“清浄魔法”があるので大丈夫だと思い、料理中にエプロンを付けていなかった。しかし、二人も一緒に料理をするということで、二人にエプロンを用意するついでに自分の分も用意することにした。僕は茶色、お母さんは紺、アルエは黒のエプロンになった。お母さんは紺色等の濃い青が、アルエは黒色が好きなようでこの色になった。僕のは二人とは違う色で濃い目の色にした。
3人でエプロンを付けたら、昨日仕込んでおいた肉だねや皮を出していく。肉だねと混ぜ合わせるスープも冷やされて固まっているので問題ない。固まったスープをフォークでグジュグジュに崩し、肉だねの入った各ボールに入れていく。まずは、ノーマルな肉だねをスープが解けない様にボールや手を冷やしながらしっかりと混ぜ合わせる。お風呂上りということもあり、手はしっかり冷やさないと暖かくなっている手の温度でスープが解けてしまうのでかなり注意が必要だ。最後に、餡を包んだ皮が皿にくっつかない様に打ち粉をすれば準備は完了だ。これで肉だねにスープを混ぜ合わせた小籠包の餡を包む準備が出来たので、お母さんとアルエに皮の包み方を教えていく。
「二人には、このボールに入ったお肉をこの円形の皮で包んで欲しいんだ。…こんなふうにね。」
僕が実際に実演しながら教えていく。
「まずは、スプーンを使ってお肉を掬って、皮の真ん中に乗せるんだ。次に皮の周りに水を付けて皮の上下両端を中央に寄せて、左右両端も中央に寄せるんだ。そうしたら…こんな感じで4つのヒダができるでしょ?このヒダの角を中央に寄せて、隙間を無くすように指でつまんであげれば完成だよ。完成したら、この粉が付いている皿に並べていってね。注意してほしいのが、お肉は多く入れ過ぎない事。この料理は、皮に隙間を作らないことがとても重要なんだよね。でも、お肉を入れ過ぎると皮が直ぐに破けちゃうから気を付けてね。それと最後に指でつまむ時に、上の方で隙間ができやすいのと、力が強すぎると皮が直ぐ破けてしまうのが一番気を付けて欲しいところかな。あっ!後、皮の周りに水を付ける時に水の付けすぎにも注意だね。指を水で濡らして縁をなぞる位で大丈夫だよ。もう一回やって見せるから見ていてね。そうしたら次から一緒にやってみよう。」
そう言ってもう一度包んでいく過程を見せた後、二人にもやってもらうことにした。小籠包の皮の包み方は、餃子の皮のようにヒダを作っていきグルっと1周包む方法や、今回作ったやり方でヒダを8個作ってからまとめる方法、ただ単に周りの皮を中央に集めてまとめるだけ等沢山のやり方があるが、できるだけ初心者でも簡単にできるやり方を選んだつもりだ。周りの皮を中央に集めてまとめるだけの方が簡単に思えるかもしれないが、これが意外と皮が破けやすいので注意が必要だ。慣れれば、その方法が一番早いんだけれどね…
「これだと、上に隙間があるわね…もう少し隙間をふさぐy…アイン、ごめんなさい。破けてしまったわ…」
「あっ!破けてしまいました…おにいちゃん、ごめんなさい…」
最初の方は、二人とも力加減が分からなくて餡を包んでいる最中に皮を破いてしまっていた。しかし、お母さんは2,3回、アルエは10回位で慣れたのか皮を破くことも無くなってどんどんスムーズに作ってくれた。
二人がある程度慣れるまで僕も一緒に作っていたが、餡が無くなって来た。僕は、変わり種8種の肉だねもスープと混ぜ小籠包餡と包み終わったものを置いておくための打ち粉をした皿を作っておく。春雨やドライトマト等スープを吸ってしまいそうなものには入れるスープの量を気持ち増やしておくことは忘れない。ついでに、二人が破ってしまった皮をもう一度丸めて伸ばし円形の皮に戻しておいた。
「こっちのボールのお肉は、エビ、春雨、タケノコ、ドライトマト、大葉、ゴボウ、椎茸、ニラの8種類をそれぞれ入れたものになるよ。同じ味だと飽きが来るかなと思って、味や食感が変わるはずのものを入れてみたんだ。一応味ごとに皿を分けておきたいから、それぞれ1種類ずつ担当して作っていこうか。」
「分かったわ。任せてちょうだい。」
「わたしの作った物だけグチャグチャになっちゃったらどうしよう…そうなっても怒らないでください!お願いします!」
もう包むことに完全に慣れたお母さんと、ある程度は慣れてスムーズになったとはいえ手で行う繊細な作業に四苦八苦しているアルエでは、返事に大きな差が出てしまっていた。お母さんに関しては、本当に器用で既に僕と同じくらいのスピードで仕上げていっているのだからこの自信も頷ける。一緒にやり始めたのに横でとてつもなく上達されて、アルエは焦ってしまったのかもしれない。
「大丈夫だよ。しっかり皮の隙間を無くした上で、破けていなければ形が歪であっても成功と言っていいんだから。今アルエが作ってくれているのなんて凄く上手なんだから、心配しなくて大丈夫だよ。」
アルエは、四苦八苦しながらもかなり綺麗に作ってくれているので本人が言うほど心配は全くいらないと思う。
「これで、あった物は全部終わりかしら?これをどうやって料理するのかしら。」
「終わりましたー!い~っぱい作りました!食べる時が楽しみです!」
全部で200個作り終わり後は蒸すだけになった。3人でやると早いね。包む作業が30分くらいで終わっちゃったよ。最後に実際にやって見せながら蒸す工程の説明をしてあげる。
「これは、今から蒸すという作業をして完成なんだ。お鍋に水を入れて火にかけて沸騰させておくんだ。こっちの蒸籠にクッキングシートを敷いて1段につき10個を並べて置いて2段重ねにして、蓋をかぶせて沸騰した鍋の上に置けば大丈夫だよ。蒸気の熱で火を入れていくんだ。火は強火で大体5~6分で完成するはず。」
この厨房のコンロは5つあるのが、2段の蒸籠が10個あるので2周する必要がある。1周目が終わったら食べ始めて、食べている途中で2周目が出来上がる感じかな?
ちなみに、用意した蒸籠はひのき製の30㎝ものだ。ひのき製は最長(弱火で)90分という長時間の調理も可能な代物だ。クッキングシートには数か所大きめの穴を開けて蒸気が通るようにしてある。
説明も終わり後は待つだけの状態になったので、取り皿やレンゲやトング等の食器、昨日仕込んでおいたジャスミン茶、ラー油やからし等の調味料の準備を皆で行うことにした。
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