第2話 小さなのダークヒーロー?
転生して3歳になったワシは今日も魔力の訓練をしている。毎日努力出来るのがダークヒーローなのだ。
訓練のあとは、スラムの子どもたちが遊んでいるが、そこに混ざることはせず、訓練。
ワシはそんじょそこらのやつとは違うのだ。
母さんに友達ができないと心配されてしまうが仕方ない。
これも未来の為だ。
いや待て、一般的な幼児を演じた方が自然なのか??
あくまでもワシが目指しているのは、ダークなヒーローなのだ。
普段は息を潜めておくのためにも遊ぶのが正解なのでは‥
しかし、そうは言っても精神年齢が離れすぎて仲良くできそうにないがみんなに混ざって遊ぶほうが自然なのかもしれない、だってワシまだ3歳だもの
それからまた2年を経て5歳となったワシは原作のことをちょっとずつ思い出してきた。
まず、大まかなストーリーだが舞台は人間の学園で、貴族の女の子とスパイをしている魔族の貴族である男の子の2人が主人公で、学園の寮で2人は偶然同じ部屋になって魔族の主人公の正体がバレるところからはじまる。
それからなんやかんやあって邪神という世界を滅ぼそうとする共通の敵を倒すため人間と魔族の争いが収まっていき、主人公同士が恋してくっついて幸せな生活をする的なやつだ。
うん。ハッピーエンドだ。
まあワシには関係はないし、邪神も主人公たちが倒してくれるはずだからストーリーには干渉しないようにしようと思う。
ちなみにストーリーが始まるつまり、主人公が学園に入学するのは今から1年後だ。
ワシが今思い出せるのはこんなとこだ。
ってもうこんな時間だアイツがくる。
「おーい!遊ぼうぜー」
ほらきた。
短く切られた赤い髪に黒い目こいつはここら辺のガキ大将のレンだ。
精神年齢の違いから周りに馴染めなかったワシに優しくしてくれた優しいやつだ。
ちなみにワシは今世はクールキャラでいこうと思う。
別に人付き合いが苦手ってわけではない。ガチじゃ。
そんなわけでレンとはお互いに同じ病を患っている者として、よきライバルとして毎日遊んでゴホン、遊んでいるわけではなく互いを高めあっている。
将来は仲間にしてやろうと考えている。
もう一人エリーちゃんという青い髪でぱっちりとした目の少女がいるのだが今日は来ていないようだ。
ちなみにワシは黒髪黒目で結構イケメンである。
というかこの世界の人は大体みんなイケメンや美人で構成されている。
ゲームだしそうか。
「おまえほんとに毎日こんなことやっているのかよ」
(いくらなんでもごっこ遊びのレベルじゃないぞ。こいつヤバいな)
レンに言われてしまった。
今日はレンにも魔力の訓練を教えてやろうと、いつもの修行をする、しかし調子に乗りすぎたようでわしは気絶してしまい解散となった。
これにはレンも呆れてしまったようだ。
そりゃーこんなことで気絶するなんて、ダークヒーローを目指すものとしては呆れられて仕方がない。
しかも、レンはもう悪の怪人を倒しているらしい。早々にライバルに遅れをとっている。
これは由々しき事態だ。
今日から筋トレ倍にしなくては‥
夜
それはダークヒーローにとっての昼間。
何言っているか分からない?
大丈夫だこういうのは慣れだ。
前世合わせて80歳越したワシが言っているのだから間違いない。
とりあえず夜は良いのだ。
月が出ているとより良い。
なんなら赤い月はもっといい。
そこに雲がかかっているとより‥‥おっとついあの病の発作が出てしまった。
-閑話休題-
ワシが住むスラムにはたくさんの危険がある。
たとえばあそこ、あの人影が怪しい。
あれは邪の空気をまとっている。
ワシは日頃から邪の雰囲気を読み取る訓練をしているので分かる。ワシはとっさに物陰に隠れた。
あれはリンゴ売りのジョンだ。
あいつは怪しい気がしたんだ。
お、まだいるぞ、ジョンの後についていっているのはパン屋のジュリーだ。
アイツはパンを売るときの顔が怪しかったので覚えている。
「あいつは手に入れられたか」
「あいつがいないとあの御方を復活させることができないからな」
「はい。しっかりと。準備は進みつつあります」
なんか言っているがワシは耳が悪いので聞こえない。
いや、聞こえているが遠くの音は理解しない癖がついているので何言ってんのかわからない。
しかし、まだ出ていかない。
ワシは待てる男なのだ。
今じゃないとワシの第六感が言っている。
「じゃあ連れていってくれ」
「分かりました。こちらです」
2人はパン屋のなかに入って行く。
ワシも当然付いていく。
何を言っているのか分からなくても空気は読めるのだ。
ッ!これは
そこには今日遊びに来なかったエリーちゃんが檻に捕まっていた。
眠っているようだ。
ワシは考えた。
夜のパトロールはいつもしているがこんな場面に出くわしたことはない。
いや怖いって
ジョンの目キマッてますやん。
しかし、これ以上ないダークヒーローの出番に腕がなる。
「じゃああの薬はあるな」
「はい。これを」
「ちょっと待った~」
やっべ思わず出てきてしまった。
しかもあんまりカッコいい声が出なかった。
でもしょうがない、明らかにヤバそうな薬だもん。
どうしようか
ダークヒーローは正体がバレちゃいけないのに。
「ご近所のコマンくんじゃないか。よくないよ夜にこんなところにいたら、、ジュリーやれ」
こうなったらしょうがない
こういうときは前世で覚えた強力なコマンドで
ってコマンド忘れてるんじゃったー
「ごめんなさいコマンくん。あの御方の復活の為には犠牲が必要なの「上下ナナメetc‥」
「忘れてるものはしょうがない。はっ!とりゃっー!」
「ぶふぇっ コ、コマンドはど、どうしたの?このゲームはコマンドでたたかうんじゃ」
「はっ!ほっ!やぁ!どっこいしょ!」
「何でコマンドを使わずに‥‥」バタッ
「ジュリー何してるんだ?クッ何でこんな弱そうな掛け声のヤツにやられてるんだ、俺が、くっ、相手をし」バタッ、
「とりゃー!ほいしょー!」
ジュリーが何か大事そうな事を言っていたけど、気にしない。
コマン•ドー初めての戦いは勝利。
しかし、それはダークヒーローとは言えないものだった。
ワシぴえん。コマンは落ち込んでいた。
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