【詩】誰も涙を流さないなら



無口に

ビジネス街を歩く人々

取り残された

いつかの少年は

人々の群れに混じり

やがて訪れる

死を望む


実体は無い

少年の幻影は

空に還ることを望む


倒れ込む少年に

誰も涙を流さない

初めから

何もなかった


しかし

僕だけが

その少年に涙する



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