サーフィンの先に見えるもの

21

弥央は帰宅して玄関のドアを閉めて深呼吸をした。海風で髪が少し塩水の感触が肌に残っている。ゆっくりとスニーカーを脱ぎ、玄関の端に揃えた。心地よい疲労感が全身を包み込み、リラックスできる時間が待ち遠しかった。

弥央はリビングを通り過ぎ、階段を登りながら手すりに手をかけた。頭の中には、紗波とのサーフィンレッスンの思い出が蘇り少しずつ恐怖心を克服している自分を感じていた。紗波の励ましやアドバイスが、少しずつ自信を取り戻させてくれていた。

弥央はすぐにお風呂の準備を始めた。まだ濡れている髪をタオルで軽く拭いながら、バスルームに向かう。お湯を溜めている間、レッスンの疲れがじわじわと体に染み込んでくるのを

弥央はバスルームの鏡に映る自分の姿を見つめた。水着が体にぴったりと張り付いていたが、それをゆっくりと脱ぎ捨てた。水着の跡がくっきりと残った肌を見て、弥央は思わず微笑んだ。

シャワーを浴び始めると、温かいお湯が全身を包み込み、弥央は目を閉じた。海の塩気と砂が流れ落ちていく感覚が心地よく、疲れが一気に洗い流されるようだった。心の中には、今日のレッスンで感じた達成感と安心感が広がっていく。

バスタブに浸かると、弥央は全身が一気に温まり、心地よい安堵感が広がった。お湯が肌を包み込むようにして、体の隅々までリラックスさせてくれる。目を閉じて、今日の出来事をゆっくりと振り返る。紗波の声が耳に残っていて、彼女の笑顔が浮かんでくる。海の冷たさや波の感触を思い出しながら、自然と微笑みがこぼれた。

バスルームの静寂に包まれながら、弥央はゆっくりと深呼吸を繰り返す。心地よい湯気が鼻腔をくすぐり、疲れが少しずつほぐれていくのを感じる。指先でお湯を撫でながら、弥央は自分が少しずつ前に進んでいることを実感していた。

バスタブの縁に頭をもたれかけ、ふと窓の外を見る。夜空が広がり、星がちらちらと瞬いている。その光景を眺めながら、弥央は自分の心が穏やかになっていくのを感じた。ここでの時間が、彼女にとっての特別な癒しのひとときであることを知っていた。

温かいお風呂に浸かりながら、弥央は窓の外を見上げた。夕焼けが空を染め、穏やかな時間が流れている。これからも紗波と一緒にサーフィンを続け、もっと上手くなりたいという気持ちが強くなっていた。弥央はふと、紗波との友情がこれからどのように発展していくのかを想像し、心が温かくなった。

お風呂から上がると、弥央はさっぱりとした気分で浴室を出た。柔らかいタオルで髪を拭きながら、明日も頑張ろうと心に決めた。