24

夕暮れ時、紗波と弥央は海辺を歩いていた。空はオレンジと紫に染まり、波が穏やかに寄せては返す。心地よい風が弥央の髪を揺らし、心もまた爽やかに清められるようだった。


紗波 「弥央、ずっと言いたかったことがあるんだけど…」


弥央は驚いた顔で紗波を見つめる。


弥央 「なに?」


紗波 「これまでずっと、君と一緒に過ごす時間が楽しくて…でも、ただの友達としてじゃなくて、もっと深い感情を抱いてるんだ。」


弥央は目を大きく見開き、心臓が跳ねる音を感じる。彼女は言葉が出ない。


紗波 「弥央、実は…君が完璧であろうとする姿を見て、私も自分を見つめ直すことができた。君が私に教えてくれたこと、ただ楽しむことの大切さ…それが、私にとってすごく意味のあることだった。」


弥央 「紗波…」


紗波 「私、弥央のことが好き。もっと一緒に時間を過ごしたいし、これからの未来も共に歩んでいきたい。君の完璧主義がどうであれ、君そのものが好きなんだ。」


弥央は少し驚いた顔をしながらも、次第に微笑みが浮かんでくる。


弥央 「私も…紗波、君といると、完璧でなくてもいいって感じられる。それがどれだけ大切か、君と過ごす中で気づいたの。私も君のことが好きだよ。」


二人はお互いに向かって微笑み、少しずつ距離を縮めていく。紗波が優しく弥央の手を取り、弥央はその温もりを感じる。


紗波 「これからも、一緒に楽しんでいこう。完璧じゃなくても、素敵な日々が待ってるって信じてるから。」


弥央 「うん、私もそう思う。」


二人は手を繋いで、夕焼けに照らされた海を見つめる。波が穏やかに打ち寄せていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る