休み時間が始まり、教室の賑わいが少し落ち着いた頃、弥央と紗波は教室を出て、学校の廊下を歩きながら自販機の前に向かった。弥央は軽く微笑みながら、紗波と並んで自販機の前に立つ。紗波はまだ少しぼんやりしているが、弥央の提案に応じて一緒にお茶を買うことにした。


弥央は自販機のボタンを押し、冷たいお茶を取り出しながら、話し始める。「あの、今朝の海でサーフィンしてたね。すごく楽しそうだったよ。」


紗波は手に取ったお茶を見つめながら、にっこりと笑う。「ありがとう!実は、最初はうまくできなかったんだけど、やっと少し乗れるようになったんだ。」


弥央は頷きながら、続ける。「本当に上手くなったね。朝の海は風が強いから、難しかったんじゃない?」


「うん、最初はちょっと怖かったけど、弥央が言ってた通り、楽しむことが一番だって気づいたの。」紗波は、弥央の言葉に対する感謝の気持ちを込めて言った。


二人はそれぞれお茶を手に取りながら、海辺でのサーフィンや最近の出来事について軽く話し合った。弥央は紗波の成長を喜び、彼女がサーフィンを楽しむ姿を想像しながら微笑んでいる。一方、紗波は弥央との会話にリラックスし、彼女の支えが嬉しいことを実感していた。


自販機の前での短いひとときが終わり、弥央と紗波はお茶を片手に再び教室に戻る。その間に、二人の間には自然な親しみと信頼が感じられるようになっていた。

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